著者
中垣 俊之 三枝 徹
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

生物システムは天与の情報機械であり、その動作原理の解明は、基礎科学として興味深いばかりでなく、また新規情報技術の創成にもつながり社会的にも重要である。本研究では、単細胞生物である粘菌変形体を主なモデル生物として、その情報処理能力、特に時間記憶能の最も基本的なあり方を実験的に評価し、情報処理のアルゴリズムを考察した。細胞レベルで既に周期的なイベントの予測と想起の能力があること、それは代謝反応の多重リズム的な運動から表れることをつきとめた。同様な能力が、原生生物界から動物界、植物界にいたるまで広く共通して見られることを示唆できた。