著者
松原 仁
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

コンピュータ将棋はなかなか強くならなかったが、2000年代に保木邦仁が棋譜から評価関数を自動学習する方法(ボナンザメソッドと呼ばれる)を提案してその後ほとんどのシステムがこの方法を採用した結果とても強くなった。最近ではトッププロ棋士に勝つまでになった。本研究はコンピュータ将棋における評価関数の自動学習にヒントを得て小説の星新一らしさを表す評価関数をコンピュータによって構築することを目標とした。本研究の結果、評価関数としては残念ながらあまり精度のよいものはできなかったが、小説のあらすじを生成するための貴重な知見を得ることができた。
著者
村重 淳
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

カオスに代表される複雑な非線形現象を体系的にとらえるためには, システムの基本的な状態(平衡点, 周期解など)の安定性を調べる必要がある. 本研究では, 常微分方程式で与えられるシステムの周期解の安定性を, コンピュータを用いて数値的に精度良く調べる方法を提案した. 代表的な常微分方程式に対して提案手法を適用した結果, 従来の手法ではかなり誤差が大きくなる条件でも, 精度の良い計算結果が得られることがわかった.
著者
中垣 俊之 三枝 徹
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

生物システムは天与の情報機械であり、その動作原理の解明は、基礎科学として興味深いばかりでなく、また新規情報技術の創成にもつながり社会的にも重要である。本研究では、単細胞生物である粘菌変形体を主なモデル生物として、その情報処理能力、特に時間記憶能の最も基本的なあり方を実験的に評価し、情報処理のアルゴリズムを考察した。細胞レベルで既に周期的なイベントの予測と想起の能力があること、それは代謝反応の多重リズム的な運動から表れることをつきとめた。同様な能力が、原生生物界から動物界、植物界にいたるまで広く共通して見られることを示唆できた。
著者
MICHAEL Vallance
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

2010~2011年の資金援助(科研費22650196)は、レゴマインドストームのプログラミングタスクを段階的かつ反復的に開発し、研究をさらに進めた。新しい仮想学習スペースは、オープンソースOpenSimの技術を使って開発された。ユニークで画期的な仮想ツールは、タスクをより複雑化することに成功した。コンピュータのスクリーンキャプチャー、コミュニケーションの映像、およびレゴタスクの過程の形式で、60時間分のデータが記録・分析された。また、認知過程と機能知識は3D力学グラフにマッピングされ分析が行われた。その結果、ロボットタスクの複雑性と人間の認知過程の間に非線形の相関関係があることをわかり、この発見は下位から上位までの認知動作の過程に関する最新文献に異議を唱える結果となった。
著者
奥野 拓 伊藤 恵 大場 みち子
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ソフトウェア開発においては多くのドキュメントが作成される.しかし,ワードプロセッサ等で作成した場合,トレーサビリティの低下,メンテナンスコストの増大という問題が発生する.この問題を技術文書向けの XML 標準である DITA を導入することにより解決している.ソフトウェアドキュメントを DITA の構成要素であるトピックとして記述するために, 標準的なソフトウェアドキュメントの構造化モデルを作成し, トピック粒度の検討を行った.また,意味的な関連性によりトピックを検索する手法を構築し,DITA に基づいた統合ソフトウェアドキュメンテーション環境を汎用ウェブ CMSを拡張して構築した.
著者
岸本 章宏
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

探索アルゴリズムはコンピュータサイエンスにおける基本的な手法であり、重要な応用分野の一つとしてゲームがある。ゲームの利用者の観点からは、探索アルゴリズム(ゲーム木探索アルゴリズム)が高速にかつ正しく問題を解けることが要求される。ところが、これまでのゲーム木探索アルゴリズムは、探索効率を落としたくないために正当性を保証しないアルゴリズムを利用するか、または解の正当性を保証したいために何千倍も遅い非効率なアルゴリズムを用いるかというどちらかの妥協を行ってきた。本研究では、このような探索効率と正当性の問題を解決するのが目標である。平成18年度の研究では、探索アルゴリズムの正当性を理論的に証明でき、効率的であることが分かったので、平成19年度は、研究目標にある通り、探索アルゴリズムのさらなる効率化を行った。囲碁とチェッカーを探索の題材に選び、コンピュータ上に開発したアルゴリズムを実装し、実験的に効率の良いアルゴリズムであることを示した。本研究の大きな成果として、チェッカーが引き分けであることを証明し、Science誌に掲載され、2007年度の科学的進歩の第10位にランクされた。また、最新の関連研究を調査し、本研究との比較を行い、開発した手法が優れていることが分かった。さらに、囲碁を題材にして、ランダム・サンプリングを用いた方法と効率に関する研究を開始した。ランダム・サンプリングを行う対象としては、囲碁を用いた。ランダム・サンプリングと木探索を組み合わせると非常に有効であることが、実験的に分かった。
著者
美馬 のゆり 木村 健一 渡辺 政隆 木村 政司
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

公衆の科学技術意識の向上のために有効な公空間における対話的科学コミュニケーション手法について、デジタル技術を応用したシステムを構築し、参加者の科学技術リテラシーの向上を図るための実証的研究を行なった。科学館のない地方都市において、地域が有する資源を有効活用した地域活動を組織化し、公空間を積極的に利用することで、参加者の科学技術リテラシーの向上を図れることが明らかになった。