著者
三沢 義一 小畑 文也
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.1-9, 1987-09-14 (Released:2017-07-28)

精神薄弱者の職場適応の実態と、それに影響を及ぼすと思われる個人的、環境的要因との関連を検討することを目的として、三沢ら(1983)による評定尺度を用い調査研究を実施した。分析対象となったのは現に企業に雇用されている198名の精神薄弱者の資料である。職場適応評定尺度の因子分析の結果、5つの因子(作業適応、勤務態度、人間関係、身辺処理、耐性)を抽出した。このうち作業適応の因子は説明率も極めて高く、精神薄弱者に対しても企業側は作業の能率や質の高さを求めていることがうかがわれた。さらに、個人的、環境的要因と各因子の推定因子得点の間で数量化1類による分析を行った。各因子と個人的、環境的要因の関連はさまざまであり、これらの結果を知的水準、パーソナリティ特性、勤務態度要因、人間関係要因、身辺処理の各視点から考察した。
著者
三沢 義一
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.27-34, 1971
被引用文献数
1

絵画選択法により普通児を含む可視的な身体的異常もしくは障害児の絵を、小学生(9〜12才)、大学生(19〜23才)、肢体不自由児(9〜18才)合計569名について個別に好きな順に選択させたところ、わが国の被検者は、アメリカに比して健全な子どもを選択する率が高く、しかも各障害の順位はアメリカおよびイスラエルと較べてかなり異っていた。特は著明な傾向として、アメリカで顔面醜形や肥満の子どもが最も嫌われているの反して、わが国ではそれが普通児に次いで好かれ、機能障害の一種である上肢欠損の子が最も嫌われていた。予想に反して、機能障害の最も重い車椅子の子がそれほど嫌われなかったが、これは理解の不徹底によるところが大であると思われる。Richardsonらのいう身体障害児への文化的一様性の仮説は大体において支持してよいと思われ、文化や国民相互間で態度に差があるのは結局その社会に流れる価値的尺度の特性を示しているであろう。このような点から考察すると、身体障害者への態度は極めて根深いものがあり安易にその本質を論ずることはできないが、少なくとも偏見や観念的な判断から一般人を少しでも解放するためには、障害者という者を現実に人間として理解させる機会を健常者に与えることを考慮すべきである。
著者
三沢 義一 小畑 文也
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.1-9, 1987-09-14
被引用文献数
1

精神薄弱者の職場適応の実態と、それに影響を及ぼすと思われる個人的、環境的要因との関連を検討することを目的として、三沢ら(1983)による評定尺度を用い調査研究を実施した。分析対象となったのは現に企業に雇用されている198名の精神薄弱者の資料である。職場適応評定尺度の因子分析の結果、5つの因子(作業適応、勤務態度、人間関係、身辺処理、耐性)を抽出した。このうち作業適応の因子は説明率も極めて高く、精神薄弱者に対しても企業側は作業の能率や質の高さを求めていることがうかがわれた。さらに、個人的、環境的要因と各因子の推定因子得点の間で数量化1類による分析を行った。各因子と個人的、環境的要因の関連はさまざまであり、これらの結果を知的水準、パーソナリティ特性、勤務態度要因、人間関係要因、身辺処理の各視点から考察した。