著者
三浦 史仁
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
雑誌
LiSA (ISSN:13408836)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.211-223, 2020-02-01

はじめに次世代シークエンサー(NGS)の登場により,核酸を対象としたオーミクス解析は大きく発展した。このような網羅的な解析を個々の細胞に対して実施する試み,いわゆるシングルセル解析に関する報告数は,ここ数年で急増している。ゲノム,トランスクリプトームのシングルセル解析は,ライブラリーの自動調製装置が市販され,より多くの細胞を解析することが可能な環境が整っている。エピゲノムに関しては代表的なエピゲノム情報をシングルセルレベルで検出する技術が出そろった。本稿では,シングルセル解析を理解するための基本となるライブラリー調製に焦点をあてて概説する。