著者
三輪 亜希子 田代 順
出版者
尚美学園大学
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.87-100, 2016-03-31

筆者の所属するダンスカンパニー〈プロジェクト大山〉は大学という教育機関から発足した。 卒業から様々なターニングポイントを経過し、 発足10年目を迎える現在も活動の幅を広げながら日本のダンスシーンにおける地位を確立し始めている。〈プロジェクト大山〉はコンテンポラリーダンスのカンパニーである。 コンテンポラリーダンスが日本に根付いてから30年あまりの時間が経過した。 同時代の感性を取り入れ, 斬新で新しい演出に富んだ芸術として瞬く間に90年代のダンスシーンを彩ったコンテンポラリーダンスであるが、現在は、手法や振付がある程度確立され、新しさが生まれにくいと認識されるような過渡期にもさしかかっているといえる。 また、 日本ではダンスが職業化していないという事情から、日本における多くのダンスカンパニーは契約や組織規定のない緩やかな結束で成立している傾向がある。こうしたことを背景に、この論文では、日本のダンスカンパニーの生成に関してメンバーの言葉を読み解くことで考察していく。今回を初考とし、さらなる考察の展開を図る計画である。
著者
三輪 亜希子
出版者
尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 = Journal of informatics for arts, Shobi University (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
no.26, pp.71-84, 2017-03

20 世紀の舞踊はヨーロッパを中心に展開し、日本にはプロ制度がほとんど無いことからダンサーは海外へと渡っているといっても過言ではない。中でもピナ・バウシュやモーリス・ベジャールといった20 世紀の舞踊史に改革をもたらした「巨匠」の下で直接創造活動を共にした貴重な経験をもつダンサーがいる。本研究では、20 世紀の舞踊の偉大なコレオグラファーの下で、ダンサーとしての第1ステージを体験した日本人ダンサーを対象にした。彼らへのインタビューデータに質的研究による分析手法を当て、ダンサーの心理や感覚を考察する。