著者
松本 直司 高木 清江 三輪 真裕
出版者
日本インテリア学会
雑誌
日本インテリア学会 論文報告集 (ISSN:18824471)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.17-22, 2006 (Released:2022-06-01)

本研究では,住宅居室を対象に,吹抜け空間形状と空間形状意識,印象評価の3つの関係性を求め,上層居室からと下層居室からでそれらがどのように異なるかを明確にすることを目的とする。 実験は,1 /10縮尺模型を用い,居室の印象を11評価尺度による SD 法で評価した。 分析の結果,吹抜け空間を評価する尺度は,上層・下層居室ともに「スケール性」「快適性」「関係性」「特異性」の4軸であった。空間形状意識では,下層居室からは上層居室からに比べ,レベル差に大きく影響された。上層・下層居室からの空間形状意識は,ともに「空間重複型」が最も快適な空間となった。吹抜け空間においては快適な居室を計画するためには,一体的であるより,ある程度の分離感をつくる必要がある。