著者
近藤 息吹 上出 泰山
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.1507-1509, 2020-11-30

総排泄腔とは,胎生4〜9週に存在する臓器の名称である。総排泄腔は上方より発生する尿直腸中隔により前後に分離され,胎生9週には腹側が膀胱・尿道に,背側が直腸・肛門となる。総排泄腔遺残は,総排泄腔の分離過程が障害され,総排泄腔が生後に遺残した病態である1)。遺残した総排泄腔の部分は共通管ともよばれ,共通管から会陰部までの長さは1〜12cmと差がある。5万人に約1人の割合で発生する極めて稀な先天異常で,女児にしか発生しない。