著者
小泉 幸道 上原 康浩 柳田 藤治
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.592-597, 1987-09-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
16
被引用文献数
5 19

比較的高価格で販売されている特殊食酢類11点の,一般成分,無機成分,遊離アミノ酸,有機酸について分析を行い,製品間の比較を行うと共に,普通の米酢とも比較を行い品質について検討した.(1) 一般成分については各成分共,製品間の差は多少みられたが,普通の米酢とあまり変わらなかった,しかし,沈でん物が発生している製品が多く,カラメルを添加して黒酢を強調している製品もみられた.(2) 無機成分については,ナトリウムが多く,次いでカリウムやマグネシウムであった.(3) 遊離アミノ酸については,含量の多いアミノ酸はアラモン,ロイシン,リジン,バリン.グリシンであった.全アミノ酸量は,56.9~362.6mg/100mlで普通の米酢よりは多いが,比較的含量は少なかった.原料や製造法による影響は大きいと思われる.全アミノ酸に対する必須アミノ酸の割合は,殆どが45~50%であった.(4) 酢酸を除いた有機酸については,乳酸の含量が一番多く,次いでピログルタミン酸であった.比較的高価格で販売されている特殊食酢類は,品質と価格に問題があると思われる.