著者
柳田 藤治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.134-141, 1990-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
36
被引用文献数
1

酢の薬効については古くから伝えられているが, 科学のメスが加えられたのはごく最近のことといえる。黒酢や酢大豆に代表されるように, 健康食品としてマスコミに登場する機会も多い。酢の機能性とは何か, 数多くの研究結果を引用して解説していただいた。
著者
永島 俊夫 小泉 幸道 山田 正敏 柳田 藤治
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.469-473, 1987-07-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
4

カレー製造に比較的よく用いられている香辛料9種について,120℃に加熱した場合の香気成分の変化をガスクロマトグラフィーにより比較検討した.(1) カルダモン,クローブ,クミンは加熱により主要な成分が増加し,全香気成分量も増加した.(2) オールスパイス,メースは加熱により全香気成分量が減少したが,その割合は比較的少なかった.(3) フェネル,シナモン,コリアンダー,フェネグリークは加熱により各成分が大きく減少し,特にフェネグリークはそれが著しかった.(4) 各香辛料の香気成分は,加熱により増減が見られたが,低沸点化合物量は全ての香辛料で減少が認められた.(5) 香辛料の種類により,加熱による変化に特徴が見られたことから,製造時においてもこれらの点を充分考慮する必要があると思われた.
著者
小泉 幸道 上原 康浩 柳田 藤治
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.592-597, 1987-09-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
16
被引用文献数
5 19

比較的高価格で販売されている特殊食酢類11点の,一般成分,無機成分,遊離アミノ酸,有機酸について分析を行い,製品間の比較を行うと共に,普通の米酢とも比較を行い品質について検討した.(1) 一般成分については各成分共,製品間の差は多少みられたが,普通の米酢とあまり変わらなかった,しかし,沈でん物が発生している製品が多く,カラメルを添加して黒酢を強調している製品もみられた.(2) 無機成分については,ナトリウムが多く,次いでカリウムやマグネシウムであった.(3) 遊離アミノ酸については,含量の多いアミノ酸はアラモン,ロイシン,リジン,バリン.グリシンであった.全アミノ酸量は,56.9~362.6mg/100mlで普通の米酢よりは多いが,比較的含量は少なかった.原料や製造法による影響は大きいと思われる.全アミノ酸に対する必須アミノ酸の割合は,殆どが45~50%であった.(4) 酢酸を除いた有機酸については,乳酸の含量が一番多く,次いでピログルタミン酸であった.比較的高価格で販売されている特殊食酢類は,品質と価格に問題があると思われる.
著者
永島 俊夫 小泉 幸道 山田 正敏 柳田 藤治
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.469-473, 1987

カレー製造に比較的よく用いられている香辛料9種について,120℃に加熱した場合の香気成分の変化をガスクロマトグラフィーにより比較検討した.<BR>(1) カルダモン,クローブ,クミンは加熱により主要な成分が増加し,全香気成分量も増加した.<BR>(2) オールスパイス,メースは加熱により全香気成分量が減少したが,その割合は比較的少なかった.<BR>(3) フェネル,シナモン,コリアンダー,フェネグリークは加熱により各成分が大きく減少し,特にフェネグリークはそれが著しかった.<BR>(4) 各香辛料の香気成分は,加熱により増減が見られたが,低沸点化合物量は全ての香辛料で減少が認められた.<BR>(5) 香辛料の種類により,加熱による変化に特徴が見られたことから,製造時においてもこれらの点を充分考慮する必要があると思われた.
著者
小泉 幸道 永島 俊夫 山田 正敏 柳田 藤治
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.316-322, 1986

市販調理済カレー25点の化学的成分分析に主成分分析を適用した.また,14点のカレーについて香味の官能試験を行ない,カレーの特徴を解析した.<BR>(1) 化学的成分分析においては,各成分の平均含量は,水分72.81%,タンパク質4.38%,脂肪8.84%,灰分1.90%,繊維1.64%,全糖9.63%,直糖0.75%,ショ糖1.88%,デンプン6.30%,過酸化物価2.77,チオバルビツール酸価0.61であった。各成分共,含量のバラツキが多かった.<BR>(2) 化学的成分分析の主成分分析では,第1主成分は炭水化物と水分の成分として,第2主成分は油脂の品質表示と甘味を表わす成分であった.<BR>(3) 香味の官能試験において,香りについては香辛料や肉の香りが強くない方が良く,色については明るい方が良く,褐色の強いものが悪かった.味については旨味があり,甘味と辛味のバランスがとれているものが良かった.評点法による香味の官能試験より,5つの特徴あるグループに大別された.
著者
柳田 藤治 小泉 幸道 村 清司 田中 秀夫
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.89, no.9, pp.698-703, 1994
被引用文献数
1 1

著者らは今年の4月末から5月上旬のゴールデンウィークを中心として, ベトナムへ渡り, ベトナム各地の魚醤油の加工場や自家製造の現場を幅広く視察してきた。<BR>この案内役のジュオン氏もこの道の大家とあって, 貴重な発見が多々あったと聞いている。
著者
柳田 藤治
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.608-610, 1976

昔からもっともなじみの深いすし酢に代表される食酢は, 食生活の変革につれて高度に多様化され, ポン酢, ドレッシング, マヨネーズ, ソース, ケチャップ等の調味料に多く使用されるまでになった。食酢の研究者である著者に, 食酢の利用, 効能, 製造技術について解説していただいた。
著者
小泉 幸道 羽鳥 久志 柳田 藤治 伊藤 明徳 山口 元之
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.206-210, 1981-03-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
5

酵母と乳酸菌の添加割合を変えた時の菌の増殖に及ぼす影響を, 液体培地と味噌醸造において検討し, 同時に成分の変化についても調べた。1. 液体培地と味噌醸造においては, 初発菌数に関係なく, 始めに乳酸菌の増殖が著しかった。また初発乳酸菌数が多い程, pH下降も早く, maximum stateに達する日数も早かった。2. 味噌醸造において, 熟成初期にアルコールが急激に生成されると, 乳酸菌の増殖はみられなかった。3. 味噌醸造における遊離アミノ酸については, 菌数の添加割合に関係なく全体的に増加し, 特にLys・Arg・Glu・Leuが多く生成された。4. 味噌醸造における有機酸と色の冴えについては, 乳酸菌の添加割合が多い程, 含量も多く冴えもよかったが, 乳酸菌の増殖が緩慢な場合は有機酸の変化はみられなかった。5. 官能試験においては, 乳酸菌の添加割合が多い程, 塩馴れ, 味のしまりが良かったが, やや酸味が強く感じられた。