著者
柴田 史子 杉浦 久嗣 上原 正巳
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.150-155, 2004 (Released:2011-07-13)
参考文献数
10
被引用文献数
1

アトピー性皮膚炎患者でしばしばみられる冬季の皮膚の乾燥が洗濯洗剤の使用を避けることで改善されるかを検討した。対象:冬季に肩周囲の皮膚の乾燥状態が増強するアトピー性皮膚炎軽症例26名。方法:電解水洗浄型洗濯機(SANYO ASW-HB700)の洗剤ゼロコースで洗濯した衣類を2週間着用し,その前後で皮膚症状の変化を調べた。結果:洗濯洗剤の使用中止により皮膚の乾燥は26名中24名(約90%),乾燥性湿疹は26例中16例(約60%)で改善した。衣類に残留する洗濯洗剤が冬季に被服部にみられるアトピー性皮膚炎の乾燥皮膚の一因であることが示唆された。
著者
上原 正巳
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.65-75, 2014 (Released:2014-08-01)
参考文献数
56

アトピー性皮膚炎患者に主要アレルギー性食物(卵,牛乳など)の経口投与試験をおこなうと,湿疹の悪化が起こる患者は少数(10%以下)であることから,食物は本症の重要な悪化因子ではないと考えられてきた。最近筆者らは従来の研究を補完するつもりで,患者が摂取するすべての食物を研究対象に含めて投与試験をおこなった。その結果,不定期的湿疹悪化を示す成人患者の44%と小児患者の75%,および母乳栄養の乳児患者の73%において,主要アレルギー性食物以外の食物(とくに木の実食品と発酵食品)が湿疹を悪化させていることが判明した。以上から,食物(とくに木の実食品と発酵食品)は本症の重要な悪化因子であると考えられる。(皮膚の科学,13: 65-75, 2014)
著者
上原 正巳
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association/Meeting of Keiji Dermatological Association
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.65-75, 2014

アトピー性皮膚炎患者に主要アレルギー性食物(卵,牛乳など)の経口投与試験をおこなうと,湿疹の悪化が起こる患者は少数(10%以下)であることから,食物は本症の重要な悪化因子ではないと考えられてきた。最近筆者らは従来の研究を補完するつもりで,患者が摂取するすべての食物を研究対象に含めて投与試験をおこなった。その結果,不定期的湿疹悪化を示す成人患者の44%と小児患者の75%,および母乳栄養の乳児患者の73%において,主要アレルギー性食物以外の食物(とくに木の実食品と発酵食品)が湿疹を悪化させていることが判明した。以上から,食物(とくに木の実食品と発酵食品)は本症の重要な悪化因子であると考えられる。(皮膚の科学,13: 65-75, 2014)