著者
上地 幸市 嘉数 健悟
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.22, pp.69-76, 2019-03-31

本報告は,学校と大学の協働による「教職インターンシップ実践」において学生がどのようなことを学び,どのようなことを課題としているのかを明らかにし,学生の実践的指導力の基礎を培うための基礎資料を得ることを目的とした。その結果,以下の4 点が明らかになった.1)学生たちは「教職インターンシップ実践」における学校現場での継続的な教育活動において「各教科等の授業への指導補助及び教材・教具・掲示物等の制作」や「問題を抱える生徒や別室登校生徒等,個別の生徒への支援」についての成果や課題を認識する傾向にある。2)大学での事前指導の学びと学校現場における「体験的な学び」のつながりには,大学における教科指導の在り方や生徒指導の3 機能を生かした生徒との関わり方等があげられる。3)一部の学校にとどまっている教育活動について理解と協力を得る必要がある。4)「つなぐ・つながる力」の基礎を培う体験的な学びの機会が少ないため,地域資源や地域文化と生徒をつなぐ横断的なカリキュラムの事例提供など,大学における教職課程のカリキュラムの検討が求められる。