著者
王 志英
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.12, pp.71-82, 2010-03-31

本稿は中国語の四つの類義語動作動詞"扔"、"丢"、"摔"、"抛"の基本義とその用法について考察した。"扔"は遠くまで、近くまで対象物を「投げる」ことができるほかに、上向きと下向きへ対象物を「投げる」こともできる。"丢"は下へ向けて、対象物を「投げる」。"摔"は主体が力を入れ、対象物を上向きと下向きへ 「投げる」ことになる。また、"摔"は力が入っているため、対象物に付着してある物を「落とす」こともできる。主体の重力によって、主体自ら「落とす」こともありうる。"抛"は斜め上に向け、対象物を「投げる」。以上は四つの動作動詞の移動する軌道の違いにより、その間の意味の違いも見えてくる。@@@本论文考察了汉语的四个动作动词"扔"、"丢"、"摔"、"抛"的基本意思和其用法。"扔"除了能把物"扔"远、"扔"近外,还可把物向上或向下"扔"。"丢"主要是把物向下扔。"摔"时主体用力,可把物向上或向下"摔",并且因为用了力,可把物体上附带着的东西"摔"掉。"抛"主要是斜着向上"抛"物。以上四个动作动词由于移动轨道的不同,它们之间的意思也不同。
著者
渡久山 幸功
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-16, 2012-03-10

本稿では、Ernest Hemingway(アーネスト・ヘミングウェイ)の中編小説 The Old Man and the Sea(『老人と海』1952年出版)をエコクリティシズム理論を援用して分析した。エコクリティシズム批評の重要な概念「センス・オブ・プレイス」や環境破壊の視座などが本作品に描かれていることを証明し、人間と自然(動物)の一体化・融合あるいは両者の関係の二項対立的な固定観念を解消することを信条とする老人サンティアゴの漁師としてのカリブ海特有の海洋生物・天候の知識が、彼の環境意識・哲学のバックボーンとなっていると考察した。海洋自然の「厳しさ」は、サンティアゴによって「自然の美しさ」及び「自然の摂理」として認識される。それは、小説の重要なメッセージとして提示され、環境文学の特徴である環境への意識を読者に喚起させることを促し、環境や自然に対する従来の価値観の転換を読者に希求する意図がある「環境文学テキスト」であると指摘した。This paper explores an environmental dimension of Hemingway's novella, The Old Man and the Sea (1952). Despite his reputation as a hunter/fisherman, there is no doubt that Hemingway was environmentally conscious as a nature writer as several of his works clearly suggest. The Old Man and the Sea is the best example among his nature-conscious texts. In perusing aspects of the marine environment and Santiago's personal philosophy of fishing for sustenance in the novella, I argue that the novel belongs to environmental literature in the American literary tradition, especially that of the American eco poet, Gary Snyder.
著者
渡久山 幸功
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-16, 2012-03-10

本稿では、Ernest Hemingway(アーネスト・ヘミングウェイ)の中編小説 The Old Man and the Sea(『老人と海』1952年出版)をエコクリティシズム理論を援用して分析した。エコクリティシズム批評の重要な概念「センス・オブ・プレイス」や環境破壊の視座などが本作品に描かれていることを証明し、人間と自然(動物)の一体化・融合あるいは両者の関係の二項対立的な固定観念を解消することを信条とする老人サンティアゴの漁師としてのカリブ海特有の海洋生物・天候の知識が、彼の環境意識・哲学のバックボーンとなっていると考察した。海洋自然の「厳しさ」は、サンティアゴによって「自然の美しさ」及び「自然の摂理」として認識される。それは、小説の重要なメッセージとして提示され、環境文学の特徴である環境への意識を読者に喚起させることを促し、環境や自然に対する従来の価値観の転換を読者に希求する意図がある「環境文学テキスト」であると指摘した。This paper explores an environmental dimension of Hemingway's novella, The Old Man and the Sea (1952). Despite his reputation as a hunter/fisherman, there is no doubt that Hemingway was environmentally conscious as a nature writer as several of his works clearly suggest. The Old Man and the Sea is the best example among his nature-conscious texts. In perusing aspects of the marine environment and Santiago's personal philosophy of fishing for sustenance in the novella, I argue that the novel belongs to environmental literature in the American literary tradition, especially that of the American eco poet, Gary Snyder.
著者
王 志英
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-10, 2013-03-15

本稿は中国語の形容詞“漂亮”、“美丽”、“美”、“好看”という類義語の違いについて考察した。この四つの類義語はともに視覚を通して、人間、物事を描写することができる。 しかし、“美丽”、“美” の描写する対象は色彩がなくてならないのに対して、“漂亮”、 “好看”の描写する物事が色彩がなくても使える。“漂亮”、“美丽”、“美”は聴覚を通して、物事を描写することができるが、“好看”は物事を聴覚による描写ができない。 “美丽”、“美”で描写している物事が「美しい」だけでなく、人間に精神的な快感をもたらすことができる。本篇论文对汉语的4个形容词“漂亮”、“美丽”、“美”、“好看”之间的意思的区别进行了探讨。这4个同义词翻译成日语都表示「美しい」、「きれい」的意思,因此对学汉语的外国人来讲,要掌握和使用好这4个词,很不容易。“漂亮”、“美丽”、“美”、“好看”这4个同义词都可以通过人的视觉来对人、物进行描写。但是,“美丽”、“美”所描写的对象必须具有色彩,没有色彩的对象一般不用“ 美丽”、“美”。“ 漂亮”、“好看”描写的事物没有色彩也可以说。“ 好看”不能用于听觉,用“美丽”、“美”时,不仅表示人或物的外观美,而且其事物还能给人带来精神上的快感。
著者
上地 幸市 嘉数 健悟
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.22, pp.69-76, 2019-03-31

本報告は,学校と大学の協働による「教職インターンシップ実践」において学生がどのようなことを学び,どのようなことを課題としているのかを明らかにし,学生の実践的指導力の基礎を培うための基礎資料を得ることを目的とした。その結果,以下の4 点が明らかになった.1)学生たちは「教職インターンシップ実践」における学校現場での継続的な教育活動において「各教科等の授業への指導補助及び教材・教具・掲示物等の制作」や「問題を抱える生徒や別室登校生徒等,個別の生徒への支援」についての成果や課題を認識する傾向にある。2)大学での事前指導の学びと学校現場における「体験的な学び」のつながりには,大学における教科指導の在り方や生徒指導の3 機能を生かした生徒との関わり方等があげられる。3)一部の学校にとどまっている教育活動について理解と協力を得る必要がある。4)「つなぐ・つながる力」の基礎を培う体験的な学びの機会が少ないため,地域資源や地域文化と生徒をつなぐ横断的なカリキュラムの事例提供など,大学における教職課程のカリキュラムの検討が求められる。