著者
上岡 真紀子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.278-284, 2008-06-01
被引用文献数
1

本稿は,大学図書館における評価活動の事例として,慶應義塾大学の利用者調査ワーキング・グループの活動を紹介するとともに,2007年度に実施した学習支援の方向性を探るための大学1,2年生に対するフォーカス・グループ・インタビューについて報告する。データの分析は,質的データを分析する手法であるグラウンデッド・セオリー・アプローチによって行った。その結果,「場としての図書館」と「学習支援」の2つのカテゴリと,(1)一人で勉強するための場所,(2)一緒に勉強するための場所,(3)安全で快適な空間,(4)飲食,(5)図書館サービス全般,(6)学習に必要なモノ,(7)読むための資料,(8)図書館のウェブサイト,(9)欲しい情報,(10)情報リテラシー教育,(11)人的支援の11のサブカテゴリが抽出された。
著者
上岡 真紀子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.41-47, 2000
参考文献数
27

日本における金融に関する統計について紹介する。日本の金融市場の種類と金融政策について説明し,統計との関係について述べる。金融に関する包括的な統計書として日銀が提供する「金融経済統計月報」を取り上げ,そこに掲載される主要な指標についてもふれる。さらに,金融政策の中間目標としてのマネーサプライ統計と,金融全体を烏瞰する統計として資金循環表を取り上げる。それぞれ統計の定義,枠組み,利用例について紹介する。また,最近の金融をめぐる環境の変化を反映し,今年相次いで発表された両統計の見直しについても紹介する。
著者
上岡 真紀子
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、教授・学習支援を担当する専門的図書館員のモデルを示し、その養成プログラムのあり方を検討することである。昨年度までに、文献調査に基づいて、全学的な教授・学習の質的改善の取り組みを実施して成果をあげ、かつ、その取り組みに図書館員が深く関与している事例を抽出し、事例としてトリニティ大学、パデュー大学等への訪問調査を実施し、データを収集している。 今年度はこれらケーススタディのデータを検討し、1) 全学的教授・学習の改善プログラムにおいて、 図書館員は、学習環境デザイン、および情報リテラシーの専門家としてプログラムの計画と実施に関与している、2) プログラムの実施の局面では、授業やカリキュラムの到達目標、アクティビティ、課題、評価の中に、情報リテラシー獲得のための要素をどのように組み込むかについて、教員に対する支援を提供し、授業改善やカリキュラム改革に貢献している、という結果を得た。また今年度は、上記プログラムに参加する図書館員への聞き取り、および文献調査に基づいて、教授・学習支援を担当する図書館員を養成するプログラムの事例調査を開始した。事例として、米国図書館協会によって提供されている、情報リテラシーの専門家養成プログラムについて情報を収集するとともに、開発に関わってきた図書館員数名を訪問し、背景などの聞き取り調査を実施した。今後、プログラムの詳細な内容を検討する予定である。