著者
上岡 秀拓
出版者
宝塚造形芸術大学
雑誌
宝塚造形芸術大学紀要 (ISSN:09147543)
巻号頁・発行日
no.19, pp.111-131, 2005

絵画表現は、言葉による会話と同じく、いわば視覚イメージを使ったコミュニケーション・メディアであると考えられる。しかしながら、絵画と受け手の相互関係を、マクルーハンが提示した「ホット」及び「クール」というメディアの性質を照らし合わせて見ると、会話と異なり、一方向性なものである。そこで、絵画表現において、会話のようなコミュニケーションへの展開の可能性はないか考えた。その過程で、「キャラクター表現」がもつ、コミュニケーションに関わる特異な性質に着目した。本論は、まず以上の考察を、次いでその実践としての作品制作を試みたものである。