著者
竹村 友貴 上岡 英史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.122, pp.19-24, 2009-07-02

振動通信は固体振動(バイブレーション)の伝搬を用いた近接データ通信であるが,従来のフォトセンサを受信モジュールとして用いた方式では,微小な高低で得られるデータが異なるため通信環境が限られていた.3軸加速度センサを用いる本方式では,受信モジュールを直接接触させるだけで通信環境が整い,将来的に携帯電話に置き換えて考えることも可能となった.本稿では,3軸加速度センサを用いることによる振動通信の長距離化,および高速化の可能性について報告する.
著者
山本 健太郎 上岡 英史
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.4, pp.1-6, 2012-05-14

本稿では、加速度センサデータから手振り動作を忠実に抽出し、パターンマッチングを行うことで、セキュアかつ手軽に個人認証を行う手法を提案する。手振り動作での認証は生体認証であり、その中でも行動的特徴に分類される。行動的特徴の欠点は認証率の低さにあり、それを改善できれば動作の違いによるパスワード変更も可能なため、フレキシブルな認証システムとなりうる。本研究では、忠実に動作部分を抽出することに焦点をあて、認証精度の向上を図った。具体的には移動平均で加速度データ波形を平滑化しつつ、加速度の微分値である躍度を用いる方法により、正確な動作部分の判別を実現した。本提案動作抽出アルゴリズムを用いることで、行動的特徴を用いた高精度な生体認証が可能となる。In this paper, a simple and secure authentication method, which correctly extracts a user's gesture from acceleration sensor data and performs a pattern matching with it, will be proposed. Such a gesture-based identification technique is considered as a biometric authentication with behavioral characteristics. One of the significant drawbacks of using the behavioral characteristics is the low authentication accuracy. Therefore, if the accuracy is improved, the approach could be utilized for a flexible authentication system since the passcode can be changed with a different gesture. The proposed method introduces a moving average technique and focuses on jerks, which are differential values of acceleration, in order to determine the thresholds for correctly extracting a gesture. This approach will enable high accuracy biometric systems with behavioral characteristics.
著者
仁科 圭三郎 上岡 英史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.290, pp.13-18, 2010-11-11

ユーザが望む情報はインターネットなどを利用することにより,簡単に手に入るようになっている.しかし,こういった便利さの裏側で膨大となった情報量により,本当に必要な情報の特定が難しくなり,ユーザにストレスを与えているといった一面がある.本研究では,これを解決するために,情報を気配として伝える「アンビエントシステム」に着目した.アンビエントシステムの研究には光や風を用いるものが既にあるが,我々はユーザの行動に最も縛られない音を用いる事とし,一般性の高い情報として天気情報を選んだ.本稿では,音を用いて無意識にユーザに天気情報を伝えることを目的とした,局所的天気情報伝達システムの構築法と,音と天気を関連付ける手法,そして,本システムの実現可能性について報告する.
著者
中田 侑輝 上岡 英史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.219, pp.7-12, 2012-09-20

近年のソーシヤル・ネットワーキング・サービスの著しい発展により誰もが簡単に情報を発信することが可能となった.これらのサービスは企業の広報などにも利用されており,個人においても有効に活用することで世間に対して影響を与えることが可能である.そこで本稿では,影響を与え得る投稿文の文法的特徴抽出を行い,誰もが再現できるようなパターンを導き出す.本稿で利用した文法的特徴は,投稿文における品詞の割合及び品詞列の割合である.これらについて,影響力のある投稿と一般的な投稿とで比較,考察した.
著者
小清水 郁 上岡 英史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.398, pp.1-6, 2009-01-15
参考文献数
5

本稿では,時々刻々変化するユーザ環境に追従したサービス提供を実現するために,3軸加速度センサだけを用いて瞬時にユーザの行動状態を推定するアルゴリズムを提案する.具体的には,ユーザの行動が急激には変化しないと思われる約3秒間という短時間のデータに対して,適切な閾値設定や簡単なデータ解析を施し,立っている,座っている,歩いている,走っている,階段を移動している,エレベータに乗っている,エスカレータに乗っている,という7つの行動状態の推定を瞬時に行う.本稿では,提案アルゴリズムを実験データに適用し,ほとんどの行動状態を約90%以上の精度で瞬時に推定できたことを報告する.また,さらなる推定時間の短縮による推定精度の関係,モバイル環境を想定した際のサンプリング周波数と推定精度の関係について検討する.
著者
笠原 辰也 澤渡 隆寛 上岡 英史
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-6, 2011-07-07

研究では,脳波を用いたコンテクストアウェア・システムとしてユーザの行動推定および屋内位置推定方式について検討する.脳波信号は生体情報のなかでもユーザの心理状態を検知するのに有力な情報であり,ユーザの心地良さ,および,ストレスを反映すると考えられる.本稿では,実証実験を通して脳波から判定できるユーザの心理状態がどこまで細かく判定できるかについて報告し,これらの問題点と提案手法の将来性について議論する.This study discusses a user's behavior and indoor location estimation technique using electroencephalographic signals as a context-aware system. The electroencephalographic signals are regarded as reliable biological information to detect users' psychological conditions because they reflect the comfortableness and stressfulness that each user feels. In this paper, the effectiveness of the proposed method through field experiments will be reported. In addition, the issues to be solved on this study and the future possibilities of the proposed technique will be mentioned.
著者
小清水 郁 上岡 英史
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.36, pp.27-32, 2009-09-24

本研究では,モバイル端末が無線LANに接続する前にそのネットワーク利用状況を把握し,どの程度のスループットが得られるかを推定する方式について検討する.もし,十分なスループットが得られないと判断した場合は,端末自らネットワークへの接続を辞退し,ネットワーク状況が改善された場合に接続するという,端末の自律的アドミッション制御方式を提案する.本方式によって,ネットワーク全体の利用効率を高めることが可能となり,最終的には各ユーザの満足度を上げることにつながる.本稿では,無線LANパケットの再送率を利用した本方式の実現方法について述べ,フィールド実験によって得られた結果をもとに提案の有効性について報告する.