著者
伊藤 知子 上野 龍司
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.113, 2012 (Released:2012-09-24)

【目的】計量は調理の基本操作であり、特に塩分制限食など治療食の調理において計量操作の持つ意味は大きい。家庭においては、計量には計量カップ、計量スプーンなど、容積を測定する器具が用いられることが多いと考えられるが、市販されているそれらの形状は様々であり、精度についても不明である。これらは計量法で定められている「ます」ではないため検定検査の対象とはならないが、その測定値について一定以上の再現性は必要である。本研究では計量スプーンに着目し、形状の異なる計量スプーンの精度の比較を行った。【方法】計量スプーン(大さじおよび小さじ)12種について、その長径、短径、深さを測定した。これらの計量スプーンを用いて、水、小麦粉、塩、サラダ油等を測り取り、その重量を測定し、比較した。さらに「標準計量カップ・スプーンによる重量表(g)」(以下、重量表)の値との比較を行った。【結果】最初に大学生12名を被験者とし、2種類の計量スプーンを用いて、水・小麦粉を測りとってもらい、その重量を測定した。大さじを用いて測定した場合に有意差が見られた。次に計量スプーン12種を用いて様々な試料を測り取って重量を測定したところ、その値は有意に異なることが明らかとなった。特に半径(短径)よりも深さの値が小さい浅型の計量スプーンの測定値は、重量表の値の80%未満であった。浅型のものを除いた8種の計量スプーンの測定値を比較したところ、粒形状の試料よりも液状の試料の方が測定値のばらつきが大きかった。家庭における少人数用の治療食の調理や、味の再現性を重視する場合においては、少量の調味料の計量における計量誤差を小さくする計量方法の習得が必要であると考えられる。
著者
伊藤 知子 上野 龍司
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】計量は調理の基本操作であり、特に塩分制限食など治療食の調理において計量操作の持つ意味は大きい。家庭においては、計量には計量カップ、計量スプーンなど、容積を測定する器具が用いられることが多いと考えられるが、市販されているそれらの形状は様々であり、精度についても不明である。これらは計量法で定められている「ます」ではないため検定検査の対象とはならないが、その測定値について一定以上の再現性は必要である。本研究では計量スプーンに着目し、形状の異なる計量スプーンの精度の比較を行った。<br>【方法】計量スプーン(大さじおよび小さじ)12種について、その長径、短径、深さを測定した。これらの計量スプーンを用いて、水、小麦粉、塩、サラダ油等を測り取り、その重量を測定し、比較した。さらに「標準計量カップ・スプーンによる重量表(g)」(以下、重量表)の値との比較を行った。<br>【結果】最初に大学生12名を被験者とし、2種類の計量スプーンを用いて、水・小麦粉を測りとってもらい、その重量を測定した。大さじを用いて測定した場合に有意差が見られた。次に計量スプーン12種を用いて様々な試料を測り取って重量を測定したところ、その値は有意に異なることが明らかとなった。特に半径(短径)よりも深さの値が小さい浅型の計量スプーンの測定値は、重量表の値の80%未満であった。浅型のものを除いた8種の計量スプーンの測定値を比較したところ、粒形状の試料よりも液状の試料の方が測定値のばらつきが大きかった。家庭における少人数用の治療食の調理や、味の再現性を重視する場合においては、少量の調味料の計量における計量誤差を小さくする計量方法の習得が必要であると考えられる。