著者
伊藤 知子 上野 龍司
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.113, 2012 (Released:2012-09-24)

【目的】計量は調理の基本操作であり、特に塩分制限食など治療食の調理において計量操作の持つ意味は大きい。家庭においては、計量には計量カップ、計量スプーンなど、容積を測定する器具が用いられることが多いと考えられるが、市販されているそれらの形状は様々であり、精度についても不明である。これらは計量法で定められている「ます」ではないため検定検査の対象とはならないが、その測定値について一定以上の再現性は必要である。本研究では計量スプーンに着目し、形状の異なる計量スプーンの精度の比較を行った。【方法】計量スプーン(大さじおよび小さじ)12種について、その長径、短径、深さを測定した。これらの計量スプーンを用いて、水、小麦粉、塩、サラダ油等を測り取り、その重量を測定し、比較した。さらに「標準計量カップ・スプーンによる重量表(g)」(以下、重量表)の値との比較を行った。【結果】最初に大学生12名を被験者とし、2種類の計量スプーンを用いて、水・小麦粉を測りとってもらい、その重量を測定した。大さじを用いて測定した場合に有意差が見られた。次に計量スプーン12種を用いて様々な試料を測り取って重量を測定したところ、その値は有意に異なることが明らかとなった。特に半径(短径)よりも深さの値が小さい浅型の計量スプーンの測定値は、重量表の値の80%未満であった。浅型のものを除いた8種の計量スプーンの測定値を比較したところ、粒形状の試料よりも液状の試料の方が測定値のばらつきが大きかった。家庭における少人数用の治療食の調理や、味の再現性を重視する場合においては、少量の調味料の計量における計量誤差を小さくする計量方法の習得が必要であると考えられる。
著者
井上 吉世 林 淑美 原 知子 和田 珠子 水野 千恵 中原 満子 伊藤 知子 村上 恵 的場 輝佳
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTEGRATED STUDY OF DIETARY HABITS
雑誌
日本食生活学会誌 = Journal for the integrated study of dietary habits (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.313-319, 2010-03-30

This study clarifies the applicability of a sensory evaluation to easily determine the life span of frying oil on the fried food cooking in the kitchen. Two types of foods, i. e. , a chicken fillet and potato, were deep-fried coated with two types of flour, i. e. , potato starch and wheat flour. Frying was continued until the flavor score of the oil had dropped to 3. A sensory evaluation of the frying oil and each fried food was then carried out. The life span of the frying oil to reach the flavor score of 3 was slightly longer for the potato compared to the chicken fillet. It was suggested that the scores for the viscosity and rancid flavor of the frying oil corresponded to the flavor score result of the frying oil. The flavor and taste of the potato fried in the oil with a flavor score of 3 were not good. However, it was difficult to judge the degradation by the appearance of the fried chicken fillet coated with potato starch. The flavor score of the frying oil corresponded to the rancid flavor of the frying food in any case. The color of the frying oil and the taste of the fried materials varied case by case. These results suggest that the flavor score of the frying oil is a useful and easy method to determine the life span of frying oil in the domestic kitchen when a potato starch or wheat flour coating is used.
著者
伊藤 知子 安藤 真美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 2022年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.136, 2022 (Released:2022-09-02)

【目的】汁物は様々な具材を使うことができ、献立の栄養バランスを取る上で便利な調整役を果たすことのできる料理である。しかし、一方で塩分の摂取量を上げる原因となりやすいことから敬遠されることもある。日本人の食事摂取基準(厚生労働省)において、1日の塩分摂取量(食塩摂取量)の基準は、改訂ごとに引き下げられ、2020年版では男性7.5g未満、女性6.5g未満とされている。本研究は、日常の食生活記録ではないものの「時代の半歩先に出る」というコンセプトで作られ食の変遷を示す資料であると考えられるNHK「きょうの料理」に掲載されたレシピから、汁物に含まれる塩分量を中心に検証を行い、献立の変遷について明らかにすることを目的とした。【方法】1990~2015年に発刊されたNHK「きょうの料理」テキストを5年ごとに調査した。汁物の献立について、だし汁の量(牛乳、トマトジュース等の液体を含む)、具材重量、塩分量を算出し、その変遷について分析を行った。【結果・考察】汁物の掲載献立数は1990年:76、1995年:75であったが、2000年は114と増加しており、以降、2005年:95、2010年:81、2015年68と減少していた。塩分量は1食で2.0gを超えるものも多かったが次第に減少しつつあった。だし汁の量は1990年では1人分200gを超えるものが多かったが、次第に減少傾向にあった。年々、減塩の必要性が重要視されるようになったこととの関連が推察された。また、1990年は「建長汁」、「国清汁」など郷土料理としての汁物の掲載がみられたが、近年になるほど具材等がわかりやすい料理名称が増加した。
著者
伊藤 知子 上野 龍司
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】計量は調理の基本操作であり、特に塩分制限食など治療食の調理において計量操作の持つ意味は大きい。家庭においては、計量には計量カップ、計量スプーンなど、容積を測定する器具が用いられることが多いと考えられるが、市販されているそれらの形状は様々であり、精度についても不明である。これらは計量法で定められている「ます」ではないため検定検査の対象とはならないが、その測定値について一定以上の再現性は必要である。本研究では計量スプーンに着目し、形状の異なる計量スプーンの精度の比較を行った。<br>【方法】計量スプーン(大さじおよび小さじ)12種について、その長径、短径、深さを測定した。これらの計量スプーンを用いて、水、小麦粉、塩、サラダ油等を測り取り、その重量を測定し、比較した。さらに「標準計量カップ・スプーンによる重量表(g)」(以下、重量表)の値との比較を行った。<br>【結果】最初に大学生12名を被験者とし、2種類の計量スプーンを用いて、水・小麦粉を測りとってもらい、その重量を測定した。大さじを用いて測定した場合に有意差が見られた。次に計量スプーン12種を用いて様々な試料を測り取って重量を測定したところ、その値は有意に異なることが明らかとなった。特に半径(短径)よりも深さの値が小さい浅型の計量スプーンの測定値は、重量表の値の80%未満であった。浅型のものを除いた8種の計量スプーンの測定値を比較したところ、粒形状の試料よりも液状の試料の方が測定値のばらつきが大きかった。家庭における少人数用の治療食の調理や、味の再現性を重視する場合においては、少量の調味料の計量における計量誤差を小さくする計量方法の習得が必要であると考えられる。
著者
伊藤 知子 久保 加織 水野 千恵 湯川 夏子 和田 珠子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.196-203, 2008-06-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
19

中等教育における調理実習の現状,特に揚げ調理の取り上げ方について実態調査を行った。中等教育家庭科教科書では揚げ調理についての記載は経年的に減少していた。調理実習で揚げ調理を実施しているのは中学校で約20%,高等学校では選択科目も含めて約20%であった。揚げ調理を実施している場合でも,生徒がすべての調理の工程に関わっているケースは少なかった。高等学校では,揚げ調理を行うことは必要と感じられているが,危険を伴うために行いにくい状況にあることが明らかとなった。背景として,中学校,高等学校共に時間割上の問題(準備片付け時間の確保),授業数の不足,調理実習に関わる設備の老朽化などの問題があり,調理実習を行うこと自体が困難になりつつある現状があげられる。
著者
玉木 有子 伊藤 直子 佐藤 恵美子 立山 千草 太田 有子 伊藤 知子 松田 トミ子 山田 チヨ 長谷川 千賀子 山口 智子 小谷 スミ子 渡邊 智子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, 2015

【目的】平成24~25年度日本調理科学会特別研究『次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理』の一環として新潟県村上市の食と行事の結びつきについて調査を行った。郷土料理や伝統的な食の文化が親から子へ伝承されにくい傾向がある状況の中で、年中行事や慣わしが現代に受け継がれてきた村上市の現状を報告する。<br> 【方法】村上市在住の75~88歳の高齢者(平均80.5歳)から平成25年11月~平成26年3月に聞き書き調査を行い、村上市の史料館や歳時記を参考に現代に伝え継がれている年中行事、慣わしに関する食と行事の結びつきを調査した。<br> 【結果】昭和34年頃までは旧暦が用いられ、現在も名残が残る。季節毎の年中行事や慣わしが多く受け継がれており、主に祭事に関する料理が残っている。神社の信仰により伝承されてきた村上大祭(7月7日)(村上地区) 、瀬波大祭(9月4日)(瀬波地区)、岩船大祭(10月19日)(岩船地区)の3大祭りの他、稲荷神社の初午(2月の第1の午の日)、七夕祭り(8月16日)、地蔵堂の地蔵祭り(11月3日)などは今日まで受け継がれており、市民生活の潤いとなっている。初午では、粳米に小豆を入れて炊いた小豆飯、糠鰯、三角油揚げ、煮しめなどを食べる。古くは米俵のサンバイシにのせて地域のお稲荷様に供えた。節分では、まいた豆を保存し厄除け代わりに一年中食べる慣習がある。この他にも鮭を特別な魚(魚の中の魚)として大切に食しており、村上市の食と行事の結びつきには精神性の高い食の文化が伝え継がれている。
著者
佐藤 恵美子 松田 トミ子 山田 チヨ 渡邊 智子 山口 智子 伊藤 知子 伊藤 直子 太田 優子 小谷 スミ子 立山 千草 玉木 有子 長谷川 千賀子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』のガイドラインに準じた聴き取り調査結果から、昭和35~45年頃までに定着した新潟県のおやつについて報告する。<br />【方法】村上、新潟、長岡、柏崎、魚沼、上越、佐渡の7地域のおやつについて検討した。<br />【結果】新潟県は米を中心とした主食の豊かな食文化があり、うるち米、もち米、くず米、米粉を使ったものが多く、おやつにも主食と類似した文化がみられた。うるち米を使ったものには、おにぎりに生姜味噌をつけて焼いた「けんさん焼き」(魚沼)、米を二度炊きにしてから搗いた「にたて餅」(村上)があった。もち米を使った「餅」はきな粉や砂糖醤油をつけて頂き、「あんこ雑煮(おしるこ)」や「あられ」・「かたもち」(新潟)にして食された。米麹から作る「甘酒」(新潟)、灰汁に漬けたもち米を笹の葉で巻いた「灰汁笹巻」(村上)も特徴的である。もち米や米粉を使ったものには、新潟県の特産品として親しまれている「笹団子」(新潟・県全域)があり、中に餡を入れたものだけでなく、ひじきやあらめの煮物を入れたものも食された。新潟県のおやつには笹の葉を用いたものが特徴的であり、笹団子の他に「三角粽」(柏崎・県全域)や「笹餅」(魚沼)などがあり、地域により笹の用い方に違いがみられた。くず米の利用として、あんや大根菜を入れた「あんぼ」(魚沼)、「おやき」(柏崎)、「みょうが団子」(上越)などがある。佐渡では米粉を使ったものとして、雛祭りには「おこしがた」、釈迦祭りには「やせうま」、ケの日には「とびつき」が食べられていた。その他のおやつに含まれるものに「バタバタ茶」(上越)があり、糸魚川市で泡立てた番茶をいただく風習があった。
著者
伊藤 知子 田中 陽子 成田 美代 磯部 由香
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.463-467, 2007-11-15
被引用文献数
4

ツタンカーメンエンドウの子葉細胞および単離デンプンを用いて,細胞内デンプンの糊化について検討を行った.細胞内デンプンの規則構造の崩壊は,単離デンプンと比較して,崩壊が始まるのが遅く,抑制されることが明らかとなった.また溶解度,膨潤力ともに単離デンプンと比較して抑制されていた.小豆の場合と比較して,細胞壁の性状,また抑制のパターンは若干異なるが,ツタンカーメンエンドウの子葉細胞内デンプンの糊化はその他のあん原料豆と似た性質を示したことから,ツタンカーメンエンドウは製餡適性を有すると考えられた.
著者
露口 小百合 明神 千穂 村上 恵 和田 珠子 伊藤 知子 今義 潤 江口 智美 久保 加織 高村 仁知 中平 真由巳 原 知子 水野 千恵
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

<b>【目的】</b>揚げる・炒める分科会ではこれまで揚げ種重量の10倍程度の油を用いた一般的な揚げ方法での様々な研究を行なってきた。しかし、最近では環境問題や健康への配慮から少量の油で揚げる「シャロウフライ」と呼ばれる方法が注目されている。そこで今回は揚げ種が浸る程度の少ない油量で揚げた場合の揚がり具合について検討した。<br>&nbsp;<b>【方法】</b>試料として豚カツ(業務用冷凍豚一口カツ)およびサツマイモ、揚げ油はキャノーラ油を用いた。油の量は「ディープ」(油の深さが揚げ種の厚さの2倍)、「シャロウ1」(同1倍)、「シャロウ1/2」(同1/2倍)とした。温度調節付きガスコンロと26cm径のフライパンを用い、豚カツは180℃、5分間、サツマイモは160℃、6分間揚げた。揚げ操作中に揚げ種の中心温度と油温の変化を測定し、揚げ操作後の重量変化より吸油率と脱水率を算出した。官能評価はパネル6~8名で、評点法(外観、油臭さ、におい、味、揚がり具合、テクスチャー、総合)と順位法で行った。<br>&nbsp;<b>【結果】</b>脱水率は、豚カツ、サツマイモともに「シャロウ1/2」で低かった。吸油率は、豚カツでは油量による差はみられなかった。中心温度は「シャロウ1/2」では温度上昇が遅かった。官能評価の評点法は、豚カツ、サツマイモともに外観、におい、揚がり具合、テクスチャーおよび総合において「シャロウ1/2」が有意に低い評価であった。順位法では、豚カツは、「ディープ」、「シャロウ1」、「シャロウ1/2」の順に好まれた。サツマイモの「シャロウ1/2」では仕上がりが不均一で水っぽく感じられ、脱水率の結果と一致していた。以上の結果から、油量の違いは揚がり具合に影響を及ぼすことが明らかになった。
著者
中平 真由巳 水野 千恵 明神 千穂 村上 恵 和田 珠子 安藤 真美 伊藤 知子 今義 潤 江口 智美 久保 加織 高村 仁知 露口 小百合 原 知子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

<b>【目的】</b>近年、簡便な揚げ調理として、少量の油で揚げる「シャロウフライ」が注目されている。前回、「シャロウフライ」は通常の揚げ調理に比べて、官能評価が低いことを報告した。しかし、これは官能評価に影響を及ぼす要因である脱水率が統一されていない条件下であった。そこで今回は、脱水率を統一して「シャロウフライ」の再評価を実施した。<br><b>【方法】</b>試料は豚カツ(業務用冷凍豚一口カツ)、揚げ油はキャノーラ油を用いた。油量は、通常の揚げ調理である揚げ種の厚さの2倍の深さ(D)、厚さの1倍(S1)、および厚さの1/2倍(S1/2)とした。温度調節付ガスコンロを用いて180℃で揚げ調理を行い、揚げ種の中心温度と油温の変化を測定した。揚げ油の物理化学的性状値として、酸価、カルボニル価、粘度、極性化合物量、および色を測定した。揚げ種について脱水率を算出し、分科会のメンバーをパネル(n=18)として官能評価を評点法(外観、油臭さ、におい、味、揚がり具合、テクスチャー、および総合)により実施した。<br><b>【結果】</b>通常調理(D、揚げ時間5分)と同じ脱水率を得るために、S1は6分、S1/2は8分を要した。官能評価の評点(外観、におい、揚がり具合、テクスチャーおよび総合)において、S1とS1/2は揚げ時間の延長により、有意に高い評価が得られた。揚げ油の化学的性状値は、カルボニル価、極性化合物量、および色においてS1/2では揚げ時間の延長とともに上昇した。以上の結果から、シャロウフライは的確な揚げ時間の延長と揚げ作業の継続により、Dと同等の風味評価を確保できることが明らかとなった。一方、シャロウフライでは、使用油の劣化は大で、油の劣化に繋がることが明確になった。
著者
明神 千穂 安藤 真美 伊藤 知子 大塚 憲一 久保 加織 露口 小百合 中平 真由巳 原 知子 水野 千恵 村上 恵 和田 珠子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成23年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.80, 2011 (Released:2011-08-30)

【目的】中学校、高等学校の家庭科担当教員に調理実習の現状について実態調査を著者らが行ったところ、揚げ調理を実施している中学校、高等学校はともに20%で、授業時間数の減少や補助者の問題などが関係し減少傾向にあることが分かった1)。そこで、油の処理も含めた揚げ調理の一連の操作を学ぶことができる教材の開発が必要であると考えた。本研究では、まず天ぷらを取り上げ、生活体験レベルが異なる生徒にも対応可能な教育媒体としてリーフレットを作成した。多くの教育現場で活用してもらうため、このリーフレットを高校家庭科担当教員へ送付し、揚げ調理の実施状況およびリーフレットの評価についてアンケート調査を行った。 【方法】<リーフレット> 天ぷらの作り方について、油の種類・必要な調理器具・食材の準備・衣の作り方・油の温度管理・揚げ操作・油の処理方法までをカラーのイラストと写真を用いて説明した。<アンケート調査> 2010年8月に近畿二府四県の高等学校家庭科教員を対象とした郵送法による質問紙調査を行った。有効回答数は110部、回収率42.3%であった。 【結果】揚げ調理の実施状況では「天ぷらを作ったことがある」は15%であった。リーフレットに関しては「内容、説明、写真、デザイン」は高い評価を得られた。また、「補助教材として使いやすい」、「高校生の天ぷらについての理解が深まる」、「授業の資料として活用したい」と答えたのがそれぞれ76%、88%、78%となり高い評価が得られた。リーフレットへの評価は高いが、学生への配布希望は34%だった。今後は実際に授業で用いた際の生徒からの評価も検討を予定している。 1)日調科誌, 41, 196 (2008)
著者
原 知子 安藤 真美 伊藤 知子 井上 吉世 大塚 憲一 大野 佳美 岡村 由美 白砂 尋士 高村 仁知 武智 多与理 露口 小百合 中原 満子 中平 真由巳 西池 珠子 林 淑美 深見 良子 藤村 浩嗣 松井 正枝 的場 輝佳 水野 千恵 村上 恵 山下 貴稔 湯川 夏子 渡辺 健市
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.23-27, 2004-01-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
20
被引用文献数
3 1

酸価1∼4.5の段階的に劣化度が異なる劣化油1,2,3を用いて,揚げ玉,まいたけの天ぷら,コロッケを調製し,揚げ物および揚げ油の官能評価による風味とPCテスターによる極性化合物量の関係について検討した.1.新鮮油,劣化油1,2,3の4種の劣化程度の異なる油及びそれらで調製された製品の風味に有意差が認められた.これら4種の油は酸価,粘度,極性化合物量が段階的に異なるもので,揚げ玉,まいたけの天ぷら,油自体の風味の評価結果は,これらの要素と対応した.新鮮油,劣化油1,2,3の順に風味評価は低下したが,劣化油1から極性化合物量15%の劣化油2の間で低下が顕著であった.また,劣化が進行した油において官能評価ではその違いが認め難くなる傾向にあった.コロッケでは油の劣化による風味評価の低下は小さかった.2.揚げ玉やまいたけの天ぷらでは極性化合物15%程度まで,コロッケでは,25%程度まで風味評価のよい揚げ物を調製できた.3.極性化合物量15%以上で風味評価が低下するとともに風味の劣化度合いを弁別し難くなる傾向があったことから,栄養的にも嗜好的にも,揚げ油の極性化合物量を15%以下で管理するのが適当であると考えられた.
著者
伊藤 知子 石津 日出子 井上 吉世 佐久聞 桂子 高村 仁知 中原 満子 西池 珠子 林 淑美 原 知子 深見 良子 藤井 美紗子 的場 輝佳 水野 千恵 村上 恵 椴山 薫 夜久 富美子 湯川 夏子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.236-243, 2000-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
19
被引用文献数
2

A questionnaire survey on the edible oils used for deep frying in the home was conducted in 1998in the Kinki District of Japan.The respondent used an average of three types of edible oil, the most popular combination being salad oil, sesame oil and olive oil. The oil most commonly used for deep frying was salad oil, with safflower and rapeseed oil also being used for this.The criteria applied for buying oil for deep frying were the price, variety and expiration date. The parameters used for determining the life of the frying oilswere, in the order of number of answers, color (light brown), number of times used, smell and foaming property. It was apparent that the criteria for purchase and the frequency of deep frying for home cooking affected the utilization of edible oils for deep frying.These results indicate a perception of health and convenience in the utilization of edible oils for deep frying in home cooking.
著者
長谷川 浩司 星 智 遠山 裕樹 伊藤 信市 伊藤 知子 若林 博人
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.90, no.7, pp.1333-1335, 2001-07-10
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

症例は82歳,男性. 1日10行以上の水様下痢にて入院,腹部超音波およびCTにて膵頭部に径4cmの腫瘤を認めた.血清VIP (Vasoactive Interstitial Polypeptide)濃度970pg/mlと高値を示し, WDHA (Watery diarrhea, Hypokalemia, Achlorhydria)症候群と診断. octoreotide acetate (以下o. a.と略す)投与にて症状改善後,膵頭十二指腸切除術を施行し現在経過良好である.本例は過去の報告例中世界最高齢の貴重な症例と考え報告した.
著者
露口 小百合 伊藤 知子 今義 潤 江口 智美 久保 加織 高村 仁知 中平 真由巳 原 知子 水野 千恵 明神 千穂 村上 恵 和田 珠子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.59, 2012 (Released:2012-09-24)

【目的】揚げる・炒める分科会ではこれまで揚げ種重量の10倍程度の油を用いた一般的な揚げ方法での様々な研究を行なってきた。しかし、最近では環境問題や健康への配慮から少量の油で揚げる「シャロウフライ」と呼ばれる方法が注目されている。そこで今回は揚げ種が浸る程度の少ない油量で揚げた場合の揚がり具合について検討した。 【方法】試料として豚カツ(業務用冷凍豚一口カツ)およびサツマイモ、揚げ油はキャノーラ油を用いた。油の量は「ディープ」(油の深さが揚げ種の厚さの2倍)、「シャロウ1」(同1倍)、「シャロウ1/2」(同1/2倍)とした。温度調節付きガスコンロと26cm径のフライパンを用い、豚カツは180℃、5分間、サツマイモは160℃、6分間揚げた。揚げ操作中に揚げ種の中心温度と油温の変化を測定し、揚げ操作後の重量変化より吸油率と脱水率を算出した。官能評価はパネル6~8名で、評点法(外観、油臭さ、におい、味、揚がり具合、テクスチャー、総合)と順位法で行った。 【結果】脱水率は、豚カツ、サツマイモともに「シャロウ1/2」で低かった。吸油率は、豚カツでは油量による差はみられなかった。中心温度は「シャロウ1/2」では温度上昇が遅かった。官能評価の評点法は、豚カツ、サツマイモともに外観、におい、揚がり具合、テクスチャーおよび総合において「シャロウ1/2」が有意に低い評価であった。順位法では、豚カツは、「ディープ」、「シャロウ1」、「シャロウ1/2」の順に好まれた。サツマイモの「シャロウ1/2」では仕上がりが不均一で水っぽく感じられ、脱水率の結果と一致していた。以上の結果から、油量の違いは揚がり具合に影響を及ぼすことが明らかになった。
著者
井上 吉世 林 淑美 原 知子 和田 珠子 水野 千恵 中原 満子 伊藤 知子 村上 恵 的場 輝佳
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.313-319, 2010-03-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17

This study clarifies the applicability of a sensory evaluation to easily determine the life span of frying oil on the fried food cooking in the kitchen. Two types of foods, i. e. , a chicken fillet and potato, were deep-fried coated with two types of flour, i. e. , potato starch and wheat flour. Frying was continued until the flavor score of the oil had dropped to 3. A sensory evaluation of the frying oil and each fried food was then carried out. The life span of the frying oil to reach the flavor score of 3 was slightly longer for the potato compared to the chicken fillet. It was suggested that the scores for the viscosity and rancid flavor of the frying oil corresponded to the flavor score result of the frying oil. The flavor and taste of the potato fried in the oil with a flavor score of 3 were not good. However, it was difficult to judge the degradation by the appearance of the fried chicken fillet coated with potato starch. The flavor score of the frying oil corresponded to the rancid flavor of the frying food in any case. The color of the frying oil and the taste of the fried materials varied case by case. These results suggest that the flavor score of the frying oil is a useful and easy method to determine the life span of frying oil in the domestic kitchen when a potato starch or wheat flour coating is used.
著者
米浪 直子 尾関 百合子 伊藤 知子
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

野菜類は細菌に汚染されていることが多く、水洗浄だけでは完全に取り除くことは難しいことが報告されている。食中毒を予防するためには、HACCPの考え方をできる限り取り入れ、各給食現場に応じた衛生管理を行うことが必要である。それゆえ、本研究では、(1)HACCPに基づいた野菜の調理作業工程と一般的な調理作業工程について、いくつかのポイントで細菌検査を行った。(2)酢の物の調理作業工程のモデル実験で、きゅうりの洗浄、加熱処理、食酢の添加による殺菌効果について検討を行った。(3)生野菜の細菌数に及ぼすマスタードドレッシングの効果について検討した。以上のことから中心温度75℃1分以上の加熱処理を重要管理点としたHACCPシステムに基づく衛生管理の重要性が確認された。
著者
小谷 スミ子 伊藤 知子 内藤 照美
出版者
新潟大学
雑誌
新潟大学教育人間科学部紀要. 自然科学編 (ISSN:13442961)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.61-80, 2003-11-28

新潟県の小学校教員を対象に学級の食物アレルギー児の実態と学校給食での対応についてアンケート調査を行った。食物アレルギー児のいる学校は46.0%,学級は21.3%,食物アレルギー児は1.3%,食物アレルギー児の55.1%は除去食を4.7%は弁当を持参していた。食物アレルギー児がいつも食べない原因食品は卵・卵製品が最も多く,次いでエビ・カニなど,穀類,牛乳・果実・魚類・大豆・大豆製品であった。アナフィラキシーについて知識のある教員は73.8%であった。アナフィラキシーを起こした児童は給食のあと運動したときやエビ,そばを食べたあとが多く,5.2%の教員が経験していた。学校給食の調理方式は市部で自校方式66.7%,センター方式27.3%,郡部で自校方式52.2%,センター方式45.6%であった。栄養職員がいると答えた教員は市部58.0%,郡部21.3%,兼任でいないは市部29.0%,郡部48.8%,いないは市部5.9%,郡部26.5%であった。学校給食で食物アレルギー児向けメニューを取り入れている学校は市部38.2%,郡部21.1%であり,自校方式29.0%,センター方式21.6%であった。食物アレルギー児のいる学級の20.8%,除去食児のいる学級の31.7%がメニューを取り入れていた。メニューを取り入れるに際し学級担任は保護者,養護教諭,栄養士,学校などとの連携を重要視し,患児に応じた除去食,代替食で対応していた。メニューを取り入れるのが困難な理由としてセンター方式のため,予算がない,人手がない,他の児童への配慮などが挙げられた。食物アレルギー児の弁当持参への対応では,給食献立表を見て食べられない時は弁当を持ってきてもよい50.9%が最も多く,次いで給食で食べられない食品を残してもよい38.5%であり,栄養士と相談して給食のメニューから問題の食品を抜いてもらう22.・8%,毎日弁当を持ってきていい20.2%は少なかった。学校給食に食物アレルギー児向けメニューを取り入れるには学級担任・患児・保護者・養護教諭・栄養職員・主治医・管理職相互のコミュニケーションに加え,行政からの人員配置や経済的支援も必要であると考えられた。