著者
木苗 直秀 下位 香代子
出版者
静岡県立大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

1.茶葉(日本産緑茶、中国産黒茶、南アフリカ産ルイボス茶)抽出物、1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジルを用いる比色法、および、5,5-ジメチルピロリン-N-オキシド付加体として検定するESR法を適用したところ、いずれも活性酸素(O2-)を含むラジカル補足能を示しており、活性は、緑茶>ポ-レイ茶>ルイボス茶の順であった。2.ストレプトゾトシンを投与して糖尿病を誘発させたWistarラットに各種茶葉抽出物を飲料水として摂取させ、AGEsの経時的変化を調べたところ、ポ-レイ茶と緑茶が有意に血漿中のAGEs量を低下させた。ポ-レイ茶抽出物中のケルセチン、ミリセチン、ケンフェロール、ルチン、ミルシトリンが、また緑茶抽出物中の(-)-エピガロカテキンガレートを含む4種のカテキン類がAGEs生成に対する阻害物質であると推定した。3.アフィニティHPLC法およびELISA法により、ヒト糖尿病患者の血漿中のAGE量が健常者と比べて有意に高いこと、AGEs量とHbA_<1C>値が高い相関性を示すことを明らかにした。