- 著者
-
下瀬 健一
- 出版者
- 安全工学会
- 雑誌
- 安全工学 (ISSN:05704480)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.6, pp.482-489, 2017-12-15 (Released:2017-12-15)
- 参考文献数
- 25
竜巻は,他の気象災害と比べ発生頻度は高くなく被害が及ぶ範囲も狭いが,ひとたび発生し我々の生活圏を直撃した場合,構造物や農作物への被害による経済的損失のみならず,人的被害を引き起こす.そのため,竜巻の予測・監視が防災上非常に重要であるが,竜巻は短時間かつ局所的に発生する現象であるため,竜巻を直接観測することは困難であり,その発生メカニズムは未だ十分に解明されていない.ゆえに,竜巻の予測・監視技術は発展途上であり,竜巻の発生メカニズムと予測・監視技術は今なお積極的に研究開発が続けられている.本稿では,これまでの研究でわかってきた竜巻発生のメカニズムとそれを基に気象庁で開発されている予測・監視技術について解説し,竜巻発生時に必要とされる避難行動などを日本における竜巻の事例を交えながら紹介する.