著者
下田 智子 八幡 磨並 山本 留美加 及川 幸子 良村 貞子
出版者
看護総合科学研究会
雑誌
看護総合科学研究会誌 (ISSN:1344381X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.15-29, 2012-06

見守りは,援助者が対象者に対し,必要な介助や支援ができるような体制を整えて,意図的にその行為や様子を観察することである。また,看護師は患者の自立に向けた健康回復への支援において見守りを行うことが多いが,意図的な見守りが患者や家族に認識されていない場合もある。そこで,本研究では自立に向けたケアの一場面である嚥下障害の患者に対する食事時の見守りに着目し,その実態を参加観察法で調査した。A病院の神経内科・外科病棟で収集したデータは10場面であった。その結果,以下の点が明らかになった。 1.嚥下障害のある患者の食事時の看護師による見守りは,患者の状態に応じて,自立に向け,代償的な直接的ケアも合わせ行われていた。 2.見守りは,患者の自立に向け,個別的アセスメントに基づき,その項目や時間が変化していた。 3.「姿勢を整える」などの見守り時の看護師の直接的ケアは,姿勢の保持を観察することより他者に容易に理解可能な行為であった。
著者
良村 貞子 下田 智子 小笠原 克彦 岡崎 光洋
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

高精度TV会議システムを活用し、大震災で被災した宮古、気仙沼、大船渡、石巻を含む全国9か所の調剤薬局に送信機器を、大学に受信機器を設置し、実務経験10年以上の看護職者を相談員として遠隔健康相談を行った。相談の内容は血圧、体重コントロールや食事、育児、皮膚のトラブルおよび糖尿病の自己管理など多様であった。遠隔健康相談員の確保は容易でなかった。健康相談では個人情報保護が重要となるため、新たなクラウドを活用し、他者がアクセスできない状況で、潜在看護職者の協力を得て、在宅での受信時にiPadを活用し、問診、視診が実施可能か検証を行った。iPadは健康相談には十分活用可能であることが明らかとなった。