著者
新山 新 加治 建 田原 博幸 下野 隆一 林田 良啓 高松 英夫
出版者
特定非営利活動法人日本小児血液・がん学会
雑誌
小児がん : 小児悪性腫瘍研究会記録 (ISSN:03894525)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-5, 2008-02-29

過去21年間に5例の甲状腺癌を経験した.発症時年齢は10歳8か月から14歳3か月(平均12歳1か月),男児1例,女児4例であった.病悩期間は2か月から3年1か月(平均6.7か月),4例がT2,1例がT3,病理組織学的には全例乳頭癌であった.術後観察期間は6年11か月から9年3か月(平均8年0か月)で,2例が有病生存(肺転移),3例が無病生存中である.小児甲状腺癌の予後は良好だが,肺転移の治療が重要であると思われる.
著者
田中 彩 下野 隆一 今大路 治之 鈴木 基生 桑原 知巳
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.1095-1098, 2016 (Released:2016-10-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

私たちの身体には多数の常在菌が存在し、正常細菌フローラを形成している。このうち腸内フローラは生体機能に深く関与しており、宿主と共生しながら様々な生理作用を示すことが知られている。腸内フローラは疾病の発症にも関連があるとされており、その構成と機能が大きく注目されている。従来は培養法による解析が行われてきたが、近年のシークエンス技術の進歩により腸内フローラの全貌が解明されつつある。腸内フローラの解析は個人の健康指標ともなり得るといわれており、短腸症候群などの腸管不全患者における腸内フローラの構成は健常者と大きく異なると予想される。これらの患者において、腸内フローラを是正し、正常な腸内フローラを形成・維持することは腸管機能を最大限に発揮するために重要であると考える。