著者
下飯 仁
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.7, pp.474-480, 2002-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16

協会701号等の泡なし酵母は, 1970年代に泡あり酵母の変異株として育種され, 現在, 広く清酒醸造に利用されているが, その泡なしとなるメカニズムについては, 長い間不明のままであった。今回, 協会7号の高泡形成に関わるAWA7遺伝子がクローニングされ, 協会7m号のAWA7遺伝子の構造が解析された結果, 高泡形成および泡なし性のメカニズムが分子レベルで解明された。これは近年の分子生物学と酵母遺伝学の発達の腸物であり, その成果は鮮やかで見事である
著者
田村 博康 平田 大 栗林 喬 久米 一規 五島 徹也 中村 諒 渡邊 健一 赤尾 健 下飯 仁 水沼 正樹
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.12, pp.820-826, 2015
被引用文献数
2

今現在,大吟醸酒に代表される高級清酒の醸造には,広くカプロン酸エチルを高生産する酵母が使用されているが,様々な変異処理をほどこしているために,発酵が緩慢となり,さらには目的以外の変異がはいるというリスクもあった。筆者はそのリスクを取り除くための自然発生的な方法で目的株を分離することに成功し,遊離脂肪酸を測定することで迅速に識別する方法まで示した大変興味深い解説文である。ぜひご一読願いたい。