著者
佐藤 琢磨 安田 陽介 中井 大輔 増田 彬 前川 卓也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.12, pp.1-8, 2015-05-04

近年のスマートフォンやデジタルカメラの普及により,日々の食事を写真に撮影してクラウド上に記録・管理する人が増えてきている.しかし,写真のみを用いた食事ログでは何を食べたかの情報しか記録できない.何をどれだけ食べたか,どういった順で食べたかなどの食事の摂り方はユーザの健康に大きな影響を与えるとされており,そのような情報を記録することができる食事ログ手法が求められている.そこで本研究では,RGB-D カメラにより食卓を上部から撮影し,機械学習を用いてより精度の高い皿のトラッキングおよび摂食行動認識を実現することを目指す.具体的には,追跡する皿の画像から特徴量を抽出し,特徴に応じて適切な追跡手法を自動的に切り替える手法を提案する.追跡手法としてテンプレート追跡,深度追跡,SIFT 追跡などが一般的だが,色に特徴が無い白米や餅などは SIFT 追跡やテンプレート追跡に向かず,深度に特徴がない平皿などの追跡には深度追跡は向いていない.これらを皿の特徴に応じて切り替えることで,高精度な追跡を行う.また,色情報と深度情報から手の追跡を行い,皿と手の相対位置などの特徴量を抽出し,隠れマルコフモデルを用いて摂食行動の認識も実現する.さらに,本研究では機械学習を用いた食行動認識・ライフログを容易にするため,クラウドソーシング型のラベリングシステムを開発する.システムでは,ユーザはウェブ上から任意の画像のラベリングを GUI を用いて容易に行うことができる.またユーザの功績がひと目で分かるようにラベリング数によるランキング機能も備える.