著者
大野 敬子 椎尾 一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.41, pp.1-7, 2015-02-23

本研究では,電子錠と SNS を利用したスマートロックシステム "今来たさん" を提案する.今来たさんは,大学研究室での使用を想定した入室管理システムである.現在,著者の所属する研究室で 2 年半以上稼働している.本システムでは,電子錠を用い,解錠のための認証方法に暗証番号を採用した.一般に,運用の容易な認証方法ではセキュリティが弱く,運用の煩雑な認証方法ではセキュリティが強いというように認証方法とセキュリティの間にはトレードオフの関係があるといえる.そこで,暗証番号のように容易な認証方法であっても十分なセキュリティを確保することを目指し,SNS の 1 つである Twitter を利用して,ユーザ全員で研究室のドアを見張る効果が得られるような実装を行った.具体的には,ドアの解錠が行われた際に解錠を行ったユーザの Twitter アカウントをツイートする,深夜に研究室のドアが開いているとツイートする等である.これにより,ユーザが家にいながら研究室の不審な様子に気づけるようにした.この監視効果については,実験を行い,ある程度の効果があることがわかった.また,ユーザの印象評価も行い,本システムが大学研究室の入室管理システムとして受け入れられていることがわかった.本論文では,今来たさんを提案し,実装,運用結果,評価,今後の課題について述べる.
著者
廖 宸一 廣井 慧 梶 克彦 河口 信夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.13, pp.1-7, 2015-05-04

本研究は,店舗のホームページやブログからクーポンやキャンペーンなどのイベント情報を抽出する方法を提案する.この方法を利用してユーザはをひとつひとつの店舗のホームページの閲覧を必要とせず,イベント情報抽出の網羅性と効率性を支援できる.本提案は Web ページブロック分割およびイベント情報認識の二つのタスクから構成される.一つ目のタスクでは Web ページをタイトルや説明文や日付などのイベント情報を含むブロックに分割する.従来の研究は特定なタグ,画面構成あるいはブロックの機能などを特徴量として Web ページを分割することが多く,半構造化データのイベント情報抽出が難しかった.本研究では HTML 構造解析に基づいて Web ページをブロックに分割する.二つ目のタスクとは分割されたブロックから不用な情報を取り除くため,イベント情報を識別する.本研究では機械学習の手法を用いてイベント情報の識別を実現する.名古屋駅地下街 「エスカ」 と 「ユニモール」 にある店舗 96 軒を対象として行った検証実験とその結果を示す.
著者
礒川 直大 西山 勇毅 大越 匡 米澤 拓郎 中澤 仁 高汐 一紀 徳田 英幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.5, pp.1-8, 2015-05-04

魚を飼い,その水槽を鑑賞することは,我々の生活に潤いと落ち着きを与えてくれる.観賞魚を飼育する上で水槽内の環境や魚の体調管理が重要となるが,観賞魚は自分の状態を飼い主に伝えることができないため,飼い主が魚の状態に基づきインタラクティブに飼育することは難しい.本研究では,観賞魚の位置情報をもとに水槽背面のディスプレイに観賞魚の状態を表示することで,飼い主に水槽内の環境や観賞魚の体調などの情報を伝えるシステム "Aqua Mapping" を提案する.本システムにより水槽を介した観賞魚とユーザのインタラクティブな飼育環境を提供する.
著者
杉本 祐介 佐藤 太一 土井 千章 中川 智尋 太田 賢 稲村 浩 内藤 克浩 水野 忠則 菱田 隆彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.50, pp.1-6, 2015-02-23

近年,インターネット上では,Facebook や Twitter における日記や amazon.com や食べログにおけるレビューなど,ユーザからの投稿を利用したサービスが数多く普及している.これらのサービスに寄せられる投稿の中には,楽しい,きれいといった感情を示す感情語が数多く含まれており,先行研究では,そういった感情語を利用した観光地のレコメンド手法の提案を行った.その際,喜びや楽しみ,好みなどのポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに集中してしまうという問題があり,詳細な分類を行うためにはこの問題を解決する必要があった.そこで本研究では,ポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに固まってしまう問題を解決し,レコメンドに適した感情語の分類方法の提案を行う.
著者
伊藤 日出男 林 新 中田 豊久 中村 嘉志 西村 拓一 山本 吉伸 國藤 進 中島 秀之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.105-110, 2003-11-18
参考文献数
21

我々は低消費電力携帯通信情報端末(マイボタン)を用いた,近距離測位通信システムによる情報サービスの研究を進めている.このシステムでは,端末局は反射率変調による低消費電力情報送信を行い,基地局である測位通信装置は,端末の位置や方向を取得し,赤外空間光通信でサービス情報の送受を行う.本報告では,液晶ディスプレイの背面の散乱板を再帰光反射板に交換した小型PDAを用いた,反射率変調による空間光通信の実装について述べる.
著者
佐々木 航 西山 勇毅 大越 匡 米澤 拓郎 中澤 仁 高汐 一紀 徳田 英幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.9, pp.1-7, 2015-05-04

「人は幸福であるが故に笑うのではなく,笑うが故に幸福である」 という言説にもある通り笑顔を形成することがユーザの幸福感につながると考えられ,これを支持する研究は多い.幸福感は周囲に伝達することが知られている.以上のことから,幸福な人からの笑顔情報によるユーザの笑顔形成への促進が,ユーザの幸福感を引き起こし,それによって幸福感が伝達していくと考えられる.そこで本研究では,他人の笑顔画像の共有によるユーザの笑顔形成への影響を評価する "SmileSpot" を実装した."SmileSpot" は個人のスマートフォン端末のディスプレイに他人の顔画像を映し出し,それを見た際のユーザの笑顔度を検知する.38 人の被験者を対象とした 15 日間の評価実験から他人の笑顔画像がユーザの笑顔形成を促進させることがわかった.それに加え,女性のほうが男性と比べて影響を受けやすく,また親密度が高い人の笑顔画像のほうが親密度の低い人の笑顔画像より影響を受けることがわかった.
著者
佐藤 琢磨 安田 陽介 中井 大輔 増田 彬 前川 卓也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.12, pp.1-8, 2015-05-04

近年のスマートフォンやデジタルカメラの普及により,日々の食事を写真に撮影してクラウド上に記録・管理する人が増えてきている.しかし,写真のみを用いた食事ログでは何を食べたかの情報しか記録できない.何をどれだけ食べたか,どういった順で食べたかなどの食事の摂り方はユーザの健康に大きな影響を与えるとされており,そのような情報を記録することができる食事ログ手法が求められている.そこで本研究では,RGB-D カメラにより食卓を上部から撮影し,機械学習を用いてより精度の高い皿のトラッキングおよび摂食行動認識を実現することを目指す.具体的には,追跡する皿の画像から特徴量を抽出し,特徴に応じて適切な追跡手法を自動的に切り替える手法を提案する.追跡手法としてテンプレート追跡,深度追跡,SIFT 追跡などが一般的だが,色に特徴が無い白米や餅などは SIFT 追跡やテンプレート追跡に向かず,深度に特徴がない平皿などの追跡には深度追跡は向いていない.これらを皿の特徴に応じて切り替えることで,高精度な追跡を行う.また,色情報と深度情報から手の追跡を行い,皿と手の相対位置などの特徴量を抽出し,隠れマルコフモデルを用いて摂食行動の認識も実現する.さらに,本研究では機械学習を用いた食行動認識・ライフログを容易にするため,クラウドソーシング型のラベリングシステムを開発する.システムでは,ユーザはウェブ上から任意の画像のラベリングを GUI を用いて容易に行うことができる.またユーザの功績がひと目で分かるようにラベリング数によるランキング機能も備える.
著者
佐原 壮海 樫原 茂 太田 能 高井 峰生 金田 茂 山口 英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.51, pp.1-6, 2015-02-23

既存のレートアダプテーション機能 (RA) は主に室内などの移動性の低い環境を対象としているため,路車間通信のような移動環境においては,チャネル品質の変動に適応した伝送レート選択を行うことは困難である.本論文では,まず,移動環境における既存 RA の通信性能をシミュレーションにより評価し,問題点を明らかにする.そして,移動時のチャネル品質の変動に適応するための RA として,データセットを利用した RA(Rate Adaptation with Dataset: RAD) を提案する.シミュレーション評価により,既存 RA と比較して,RAD の FTP/CBR 通信の通信量がともに向上することを示した.
著者
永井 宏典 柳沢 豊 寺田 努 塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.53, pp.1-8, 2015-02-23

無線センサネットワーク (WSN: Wireless Sensor Networks) は 1 種の分散システムであるため,アプリケーション開発の際,一般のプログラミング言語を用いるとプログラムは複雑になる.本研究では,関数型プログラミング言語である F# を用いたセンサネットワークのためのプログラミング手法を提案する.ツリー状のネットワークを構成し,一つのノードをシンクノードとしてデータを集約する WSN を対象とし,アプリケーション作成のための F# のライブラリを作成した.また,.NET Framework の共通中間言語 (CIL: Common Intermediate Language) コードを実行できる仮想マシンに F# のコードを実行する機能を追加し,この仮想マシンを搭載した小型デバイス上に WSN のアプリケーションを実装した.