著者
四戸 秀和 羽藤 英二 中出 舞
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.1061-1068, 2021-10-25 (Released:2021-10-25)
参考文献数
13

本研究は、地方都市郊外の景観構造の変遷の特徴を明らかにすることを目的とした。愛媛県松山市郊外に位置する余土地区と久米地区を研究対象地とし、地形図や空中写真、その他歴史資料をもとに、近代から現代に至るまでの景観変容を記述し、その発展過程を分析した。結果として、旧農村由来の農地単位には、エリアが市街地化されていく過程で農地や空地を含むいくつかの過渡的な土地利用パターンが存在することがわかった。また、それらのパターンは段階的に、余土地区では同心円状に分布し、久米地区では南部の低地方向への分布傾向が確認され、すなわち地区の自然条件や公共施設及び土地基盤整備等のインフラ整備事業の履歴によって違いが見出されることが示唆された。