著者
忠村 一毅 中原 健二
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.805-813, 2014-12-01 (Released:2015-12-01)
参考文献数
22
被引用文献数
1

自然免疫の受容体は,一般に,出会ったことのない病原体に対しても防御反応を誘導できるよう病原微生物に共通の分子パターンを認識する.ところが植物は,それに加えて強毒の病原体の毒性因子だけを特異的に認識する受容体をもち,これらが連携して病原体の毒性をも進化的に制御していることがジグザグモデルとして提唱されている.また,ウイルスに対してはRNAサイレンシングが自然免疫の役割を担い,同様に連携した自然免疫ネットワークを形成している.これらをカルモジュリン様タンパク質についてのわれわれの成果とともに解説する.
著者
中原 健二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.63-66, 2020-05-01 (Released:2021-05-01)
参考文献数
2

中枢神経領域疾患には多くのアンメットメディカルニーズが残されており、複数の製薬企業が重点領域に掲げている。一方で本領域をターゲットとした創薬は、薬理学的メカニズムの複雑さから難度が高く、開発成功率が低いことから、共同研究によって活路を見出す製薬企業が少なくない。塩野義製薬株式会社はJanssen Pharmaceuticals, Inc.(ヤンセン社)にアルツハイマー病治療薬の開発候補品であるBACE1阻害剤(atabecestat)を導出し、同時にバックアップ化合物の創製に関する共同研究を開始した。筆者は、ベルギーにあるヤンセン社の研究所にてメディシナルケミストとして上記共同研究に参画する機会を得た。本稿ではヤンセン社の研究環境や共同研究を通して感じたことについて述べたい。