著者
田中 恒夫 真次 康弘 中原 英樹 福田 康彦
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.105, no.1, pp.81-85, 2008 (Released:2008-01-07)
参考文献数
13
被引用文献数
7

症例はアルコール多飲暦を有する53歳男性で,咳嗽と呼吸困難が強くなり入院となった.胸部X線写真にて左側に多量の胸水貯留を認め,CTにて膵体部から縦隔に達する膵嚢胞を認めた.MRIにて縦隔に向かう内瘻が明瞭に描出された.膵尾側切除と脾摘を施行し,術後経過は良好で膵炎や胸水の再発は認められていない.MRIは非侵襲性で縦隔内仮性膵嚢胞の診断に有用である.
著者
田中 恒夫 真次 康弘 松田 正裕 石本 達郎 香川 直樹 中原 英樹 福田 康彦
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.1477-1482, 2006-07-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

目的:脳卒中既往患者における開腹手術のリスク評価を検討した.方法: 2002年1月から3年間に脳卒中で入院歴を有し,開腹手術を行った77例を対象とした.手術のリスク評価のために術後合併症のあり群(n=33)となし群(n=44)に分けて,術前因子,血液検査,手術因子, POSSUMの比較を行った.結果:入院死亡は4例(5.2%)であった.術前因子,検査では年齢,脳出血後,呼吸器障害あり, performance status 2以上,アルブミン値,コリンエステラーゼ値の6項目で有意差が認められた.手術因子では緊急手術と出血量で, POSSUMでは3項目で有意差が認められた.結論:脳卒中既往症例の開腹手術における術前リスク評価の指標として, performance statusとPOSSUMは有用であった.