著者
山本 利一 中圓尾 陸
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.23-30, 2016 (Released:2017-05-01)
参考文献数
10

近年,学習者が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が求められている.本研究は,それらの学習過程を支援するICTの環境を構築し,それらの活用の効果を提案するものである.ICTの環境については,予算的な制約もあり,目的を定めた機器の選定と教室設計が大切である.本システムは,アクティブラーニングを支援する観点から,机と椅子の一体型の移動可能な「ノード」を導入することで,様々な学習形態に対応することを可能にしている.一斉学習の机配列から,個別,グループ学習へ瞬時に対応できる.画像提示は,三連式のプロジェクターとミキサーで入出力を制御するもので,同時に4入力(1入力はネットワークを活用した無線)に対応しており,3台のプロジェクターから4つの画面を提示することができる.また,1画面は,電子黒板機能を有している.これらの学習環境で講義を行い,それらの評価とICTに対する院生の意識調査の結果を報告する.