著者
宮城 哲哉 奥間 めぐみ 諏訪園 秀吾 城戸 美和子 田代 雄一 石原 聡 中地 亮 末原 雅人
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.165-173, 2016 (Released:2016-03-30)
参考文献数
26

発作性運動誘発性舞踏アテトーシス(paroxysmal kinesigenic choreoathetosis; PKC)は随意運動で突然四肢の異常運動が誘発される稀な発作である.当院経験の特発性PKCは5例で男性4例,発症年齢8~15歳,家族例1例であった.発作性異常運動の性質,正常な発作間欠期の神経所見や各種検査結果,良好な治療反応性は既報と一致した.異常運動の出現部位は一定しなかったが症例毎に出現しやすい部位が存在した.詳細に検討し得た2症例には既報と異なり視覚認知や視覚情報処理機能の異常などの皮質機能障害を認め1例は経時的に顕在化し1例は潜在していた.一般にPKCの転帰は良好とされているが,詳細に経時的な高次脳機能の評価を要する例が存在する可能性が示唆された.