著者
今川 直樹 中垣 淳 宮永 喜一 吉田 則信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.573, pp.51-56, 2001-01-17

音声信号のスペクトル推定法として、線形予測法があげられる。従来の線形予測法では、女性や子供の声などのピッチ周波数の高い音声信号を分析する場合、ピッチの影響を受けることによって必ずしも正確なスペクトル包絡の形やホルマント周波数を推定できるとは限らなかった。したがって、ピッチの影響を取り除くことが重要になってくる。本論文では、線形予測法によって音声信号のスペクトル包絡を推定する過程の中で、ケプストラム分析を用いることによって、入力音声信号のピッチの影響を取り除いてからスペクトル包絡を推定する手法を提案する。本論文のスペクトル推定法を用いてピッチ周波数の高い子供の声を分析すると、従来の線形予測法に比べてより精度の高いホルマント周波数の推定ができる。