著者
中尾 美千代 大野 義一朗 小澤 美貴 山本 隆子 森本 武利
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.543-553, 2002-11

第39次越冬隊の医療隊員が、越冬期間中に自分自身の摂取した食事をすべてデジタルカメラで記録した。このデジタルカメラの画像から摂取した食品重量を推定して栄養分析を行った。エネルギー摂取量は日本人の栄養所要量に示される生活活動強度Iのエネルギー所要量よりも若干高値を示したが、1月の摂取量は有意に高値を示した。PFC比からみるとたんぱく質および脂肪の比率が高く、炭水化物比が低い傾向を認めた。特に不足を認めた栄養素はビタミンCと食物繊維とカルシウムで、これらについては食材の確保や保管などの問題が関与すると考えられ、ビタミン剤等による補給の必要性を示すものである。