22 0 0 0 OA ヒトの高温適応

著者
森本 武利
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.13-18, 2001 (Released:2002-10-16)
参考文献数
14

ヒトの環境適応について低温環境と高温環境への適応について比較し,同時にヒトの進化過程における環境温との関係から考察した.ヒトの耐暑反応と耐寒反応を比較すると,ヒトは高温環境に比して低温環境により適応していると考えられる.過去の地球環境の変化と人類の進化の過程もこの低温への適応を支持するものであり,地球温暖化に対する人類の適応を考える場合,この視点が重要である.すなわち生理的な調節反応による高温環境への適応には限界があり,しかも現在の生活様式を維持しようとるとすると,冷暖房により環境温を生理的適応能の範囲内に調節するか,新たな高温適応能を遺伝的に獲得するかのいずれかが必要となる.前者の場合は大量のエネルギー消費を必要とし,地球の温暖化をさらに加速する可能性がある.一方後者の場合には,気候変動の速度と人類の遺伝子レベルによる適応能獲得の速度が問題となろう.

14 0 0 0 OA ヒトの体温調節

著者
森本 武利
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.256-262, 2003-05-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
松本 勅 寺沢 宗典 田和 宗徳 山川 緑 西川 弘恭 森本 武利
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.17-25, 1990-04-01 (Released:2010-12-10)
参考文献数
20

寒冷刺激に対する足趾の反応の特性を明らかにするため, 男性25名の左第一趾と示指の同時氷水浸漬時の寒冷血管反応を測定し, 比較検討した.同室温 (25~26℃) にもかかわらず, 浸漬前皮膚温は示指で4.5℃, 第一趾で9℃の個体差があり, 第一趾皮膚温は示指のそれに比べて有意な低値を示した.浸漬後の第一趾の皮膚温下降の時定数は示指の1.8倍で有意に大きく, 上昇発現時間は有意に長く, 浸漬中平均皮膚温は有意に低い値を示した.浸漬前皮膚温が等しいグループ間の比較においても指趾の反応には有意な差が認められた.浸漬前の足底深温部は手掌深部温に比して有意に低く, 浸漬中は共に有意な下降を示した.浸漬終了20分後に手掌深部温は速やかに回復を示したが, 足底深部温は測定終了までには回復しなかった.足趾と手指の反応の差異には, 両部位の体積差 (足趾が手指の約2.2倍) に基づく組織熱容量の相違等の関与が示唆された.
著者
中井 誠一 新矢 博美 芳田 哲也 寄本 明 井上 芳光 森本 武利
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.437-444, 2007-08-01 (Released:2007-09-14)
参考文献数
40
被引用文献数
11 14

The guidelines for the prevention of heat disorders during sports activities were established 13 years ago in Japan. Since then, various studies on preventive measures against heat disorders have been done, yielding new knowledge about its prevention. It has been reported that the incidence of heat disorders is high in children and the elderly, and heat acclimatization and clothing are the factors involved in this disorder. We proposed to lower the WBGT (wet-bulb globe temperature) limit for warning (discontinuation of hard exercise) from “28°C or more” to “25°C or more” (corresponding to an ambient temperature of 28°C) for non-acclimatized persons, children, the elderly, and persons wearing clothes covering the entire body. We also indicated that heat disorders can occur due to unpredictable causes, because the mechanism is very complicated.
著者
岡山 寧子 森本 武利 木村 みさか 小松 光代
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は,健康な高齢者における暑熱障害予防プログラムの開発を目的とし,高齢者の水分出納と飲水行動,生活行動の特徴から、暑熱障害予防策を検討するものである.研究期間は2年間で,平成15年度は,水分出納と身体活動量や飲水行動、他の生活習慣等を調査し,水分出納や飲水行動に影響を及ぼす因子を抽出した.同16年度は,調査結果に基づきプログラムを作成し,試行した.以下がその結果である.1.暑熱障害の既往のない健康な高齢者における真夏時の生活行動と飲水行動は,活動面では比較的ゆったりと過ごし,それに見合った食事や水分を摂取し,暑さに対応した暮らしぶりが認められた.また,暑さ対策として,飲水量は「こまめにお茶や水を摂取」する者が多く,飲むタイミングに工夫を凝らした意図的な飲水を実践する者が多かった.暑さで外出を控える者は少ないが,帽子や日傘の使用者が多く,クーラー使用者は少ない.2.暑熱障害予防プログラムの中の飲水支援では,高齢者自身のライフスタイルの中に効果的に飲水行動を組み込むことが重要であり,効果的な飲水行動の実践のためには,(1)飲水への正しい知識を持てること,(2)自分の状況から飲水必要量を正確に見積もれること.(3)飲水摂取の時間帯を工夫し,必要な水分量を摂取できること,(4)要介護高齢者は,介護者が上記を十分考慮して対応すること等をプログラムのポイントとして指導する.3.暑熱障害予防プログラムの試行として,上記1.2をふまえ,健康な高齢者向けの「暑熱障害の予防」について講演を実施すると共に,コメディカルスタッフ向けの雑誌に飲水指導のあり方を掲載した.その評価としては,まだ十分な検討はできていない.現在のところ,飲水の必要性とその方法は理解できたという評価が多いが,実際の飲水行動につながっているかは,継続的な観察が必要であり,課題である.
著者
中井 誠一 寄本 明 森本 武利
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.540-547, 1992-10-01
被引用文献数
18 7

Deaths and morbidity due to heat disorders during physical activity were gleaned from newspaper reports between 1970 and 1990. The environmental temperatures (dry-bulb temperature and relative humidity) recorded at the closest meteorological observatory at the time of occunence were used to calculate the wet-bulb temperature and WBGT (wet-bulb globe temperature), and the relationship between heat disorders and environmental temperature was analyzed. During the 21-year period, 108cases of heat disorders (91 deaths and 477 casualties) were reported in newspapers. Of the 91 deaths, 9 were in females and 82 were in males, and meanages were 23.3years, females and 19.0 years, males. It was possible to record the environmental conditions at the time of the heat disorder in 99 cases. The results indicated that almost all disorders occurred at ranges higher than 25.5℃, dry-bulb temperature, and 20.0℃, wet-bulb temperature, 40% relative humidity, and 24.0℃, WBGT. The mean WBGT was 28℃ at physiological intensities less than 12-RMR (Relative Metabolic Rate) and 25.8℃ at RMR higher than 15. The seasonal distribution was from April to November. In cases observed in April, May and November, abrupt rises in WBGT in the 1.2〜3.4℃ range were observed on the day of occurrence in comparison with the previous day, suggesting that the degree of heat acclimatization is olso an important factor in preventing heat disorders.
著者
能勢 博 森本 武利 小椋 香苗
出版者
THE PHYSIOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
The Japanese Journal of Physiology (ISSN:0021521X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.1019-1029, 1983 (Released:2006-07-28)
参考文献数
21
被引用文献数
31 49

Dehydration amounting to about 10% of body weight was induced in adult male rats by exposure to a hot, dry environment (D.B.T., 36°C; R.H., 20%) over 6 to 8hr. The volumes of total water (TW), extracellular fluid (ECF), and plasma (PV) were determined both on individual tissues and on the whole body using the constant dry weight as well as 51Cr-EDTA and 125I-RIHSA dilution methods. Total body water (TBW), intracellular (ICF), and interstitial (ISF) fluid volumes were calculated from these data.The 10% loss of body weight caused a decrease in TBW by 17% from the control value; 41% of this loss was from ICF, 47% from ISF, and 12% from PV. The decrease of ISF was proportional to that of PV and the water loss from ICF was caused by an increase in plasma osmolality. As to the water loss from organs, 40% of the whole body water loss came from muscle, 30% from skin, 14% from bone, and 14% from viscera. The G.I. tract had the highest tendency to lose water while the brain and liver showed the least.These findings suggest that under heat-induced dehydration, both the extra- and intracellular fluid compartments of muscle and skin play an important role in the compensation of water loss and in the maintenance of circulation to the brain and liver.
著者
森本 武利
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.9-10, 2007-02-01 (Released:2007-05-15)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1
著者
大野 義一朗 大日方 一夫 下枝 宣史 大谷 眞二 宮田 敬博 藤原 久子 三上 春夫 大野 秀樹 福地 光男 渡邉 研太郎 森本 武利
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.241-249, 2007-07

南極医学医療研究集会は,わが国の南極医学研究と医療問題についての研究成果を報告・討論し,次期の観測隊における医学研究に寄与することを目的として毎年行われている.2006年の本研究集会は8月26日,国立極地研究所講堂で行われた.27施設から42名が参加し18の演題報告がなされ,近年では最大規模の研究集会となった. 参加者は越冬経験医師をはじめ,共同研究を行っている大学や研究機関の研究者,関連領域の研究を行っている宇宙開発機構やスポーツ科学研究所などの研究者,南極に興味のある一般病院の臨床医など多彩であった. 2004年より昭和基地に導入されたテレビ会議システムを活用して,昭和基地の医師もリアルタイム映像で討論に参加した.また韓国,中国の越冬医師が初めて参加した.これは3カ国の極地研究所による事前の準備と連携により実現した.集会では各国の南極基地の医療状況や医学研究活動が報告され,活発な意見交換がなされた.南極医学医療研究分野におけるアジア連携の端緒となることが期待される.
著者
大野 義一朗 大日方 一夫 下枝 宣史 大谷 眞二 宮田 敬博 藤原 久子 三上 春夫 大野 秀樹 福地 光男 渡邉 研太郎 森本 武利 Giichiro Ohno Ichio Obinata Nobuhito Shimoeda Shinji Otani Takahiro Miyata Hisako Fujiwara Haruo Mikami Hideki Ohno Mitsuo Fukuchi Kentaro Watanabe Taketoshi Morimoto
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.241-249, 2007-07

南極医学医療研究集会は,わが国の南極医学研究と医療問題についての研究成果を報告・討論し,次期の観測隊における医学研究に寄与することを目的として毎年行われている.2006年の本研究集会は8月26日,国立極地研究所講堂で行われた.27施設から42名が参加し18の演題報告がなされ,近年では最大規模の研究集会となった. 参加者は越冬経験医師をはじめ,共同研究を行っている大学や研究機関の研究者,関連領域の研究を行っている宇宙開発機構やスポーツ科学研究所などの研究者,南極に興味のある一般病院の臨床医など多彩であった. 2004年より昭和基地に導入されたテレビ会議システムを活用して,昭和基地の医師もリアルタイム映像で討論に参加した.また韓国,中国の越冬医師が初めて参加した.これは3カ国の極地研究所による事前の準備と連携により実現した.集会では各国の南極基地の医療状況や医学研究活動が報告され,活発な意見交換がなされた.南極医学医療研究分野におけるアジア連携の端緒となることが期待される.A workshop on Antarctic Medical Research and Medicine 2006 was held at the National Institute of Polar Research (NIPR) on 26 August, 2006. Forty two participants from 27 institutes attended. The members consist of medical doctors with Antarctic experience, human biologists, research scientists in other fields, logistic staff members of the expedition and also medical doctors interested in Antarctica. The current resident doctor at Syowa Station joined the discussion through a telecommunication system. Doctors with Antarctic experience from China and Korea also participated in the workshop. They gave presentations on their Antarctic activities, followed by an active discussion session. Eighteen presentations were given on various topics, including the International Polar Year (IPY) 2007-2008 in medical research, space medicine, telemedicine, an international comparative study of medical operations, psychological surveys, Antarctic high-altitude medicine, Legionella surveillance and nutritional studies.
著者
森本 武利 三木 健寿 能勢 博 山田 誠二 平川 和文 松原 周信
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.31-39, 1981-04-15 (Released:2010-10-13)
参考文献数
8
被引用文献数
6

1.スポーツ飲料 (グルコース電解質混合溶液―G-E溶液) 摂取による, 発汗時体液量および体液組成変化を検討するとともに, 発汗時の自発的脱水の発生機序に検討を加える目的で発汗負荷実験を行った。実験には8名の被験者を用いて, それぞれ水分を全く与えない条件, 水を自由に摂取させる場合, およびG-E溶液を自由に与える場合の3条件下で, 高温環境 (36℃, 70%R.H.) 下にて運動負荷を加え, 水分バランスおよび血液性状の測定を行った。2.いずれの条件下にいても, 2時間の発汗負荷により約1.6kgの体重減少を来したが, 発汗直後における血液性状に関しては, ほとんど有意の差は認められなかった。自発的脱水の程度に関しても, 発汗中では水およびG-E溶液摂取による差は認められなかった。しかし3時間の回復期間をも含めて比較すると, 水負債は脱水実験で体重の3.4%, 水摂取実験で2.0%, G-E摂取実験で1.3%となり, 脱水実験に比して他の2条件下に有意差が認められた。3.水分喪失の体内分布は, 発汗直後ではいずれの条件下でもほぼ血漿25%, 間質液45%, 細胞内液30%である。その後の3時間において, 血漿量はいずれの条件下でも回復する。間質液量は脱水群ではさらに減少するが, 他の条件下ではほぼ同じである。しかし細胞内液量は脱水群ではさらに減少し, 水およびG-E溶液を摂取すると回復を示し, 特に後者では回復が著しい。4.これらの結果に基いて, 自発的脱水の機序について検討を加えた。
著者
中尾 美千代 大野 義一朗 小澤 美貴 山本 隆子 森本 武利
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.543-553, 2002-11

第39次越冬隊の医療隊員が、越冬期間中に自分自身の摂取した食事をすべてデジタルカメラで記録した。このデジタルカメラの画像から摂取した食品重量を推定して栄養分析を行った。エネルギー摂取量は日本人の栄養所要量に示される生活活動強度Iのエネルギー所要量よりも若干高値を示したが、1月の摂取量は有意に高値を示した。PFC比からみるとたんぱく質および脂肪の比率が高く、炭水化物比が低い傾向を認めた。特に不足を認めた栄養素はビタミンCと食物繊維とカルシウムで、これらについては食材の確保や保管などの問題が関与すると考えられ、ビタミン剤等による補給の必要性を示すものである。
著者
中井 誠一 新矢 博美 芳田 哲也 寄本 明 井上 芳光 森本 武利
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.437-444, 2007-08-01
被引用文献数
8 14

従来の運動指針では,WBGT 28℃が厳重警戒(激しい運動は中止)としており,日常生活を含めた予防指針の基準となると考えられる.従って,高温への順化不足,子どもと高齢者および着衣条件について1段階下げる厳しい基準とした.市民マラソンでは1段階下げた基準としていることも参考とした.今回提案する予防指針は,暑熱順化,年齢,着衣条件が伴う場合はWBGT 25℃以上を厳重警戒とする.日本体育協会によるスポーツ活動時の熱中症予防指針を基準にTable 1に示した.熱中症の発生要因はきわめて複雑であり,思わぬ事態で発生があるのも忘れてはならない.また厳しい基準であるので,日常生活も含め積極的に運動を実施する場合の妨げになることが考えられるが,予防対策を十分に取ることにより解消出来ると考えられる.また,初期症状を見逃さないで早期発見による対応が望まれる.また積極的に屋外での活動を日常生活に取り人れることで早期に暑熱順化を獲得することが必要である.
著者
森本 武利
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.9-10, 2007-02-01
被引用文献数
3 1
著者
木村 みさか 平川 和文 奥野 直 小田 慶喜 森本 武利 木谷 輝夫 藤田 大祐 永田 久紀
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.175-185, 1989-10-01
被引用文献数
35 16

60歳以上の高齢者の運動能力の検討やトレーニング効果の判定のための基礎資料を得るために, 体力診断バッテリーテストを約900名の高齢者に実施し, その結果について, 男女別, 年齢階級別に検討して, 以下の結果を得た.<BR>A.体力テストの測定値の分布については, 男女とも, ステッピング, 垂直とび, 握力はほぼ左右対象であるのに対し, 息こらえは正の歪み, 体前屈は負の歪みを示し, 片足立ちは5秒以下に6割以上が分布していた.片足立ち, 忌こらえ, 体前屈はステッピング, 垂直とび, 握力より分布幅が大きかった.<BR>B.垂直とび, 握力, 息こらえの平均値では男子が, 体前屈では女子が有意に高い値を示したが, ステッピングおよび片足立ち, 息こらえには男女差が認められなかった.<BR>C.体力テストの成績は, 息こらえを除いて男女ともすべての項目で, 年齢に伴って低下していたが, その低下の割合は体力要素によって異なっていた.加齢による低下は, 体重を移動させたり, 複雑な神経支配を必要とする項目で特に大きかった.<BR>D.体力テストの成績は, 男女とも各項目間で有意の相関が認められた.<BR>本調査の経験から, この体力診断バッテリーテストは, 高齢者にとって比較的身体的負担が少なく, メディカルチェックとして安静時の血圧測定と膝・腰などの運動器の障害を問診する程度で安全に実施できることが判明した.また本方法による高齢者の体力の標準的な数値を得ることができた.この基準値は高齢者の必要体力や高齢者に適した運動について検討を加えるのに有用と考えられる.