著者
海老 久美子 中尾 芙美子 上村 香久子 八木 典子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.13-20, 2006-02-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
20
被引用文献数
2

高校1年生野球部員285名を対象として, 栄養・食事指導が体格の向上にどのように関与するかについて調査, 検討を行った。調査対象は, ほぼ同じレベルの実力を有し, 練習時間も同程度である, 15~16歳の1年生野球部員とした。部員は学校単位で, 栄養・食事指導をしない対照群と, 指導を行う指導群に分けた。結果, 指導前では対照群, 指導群の間に差は認められなかったが, 指導後の測定・調査において, 指導群は対照群に比べ, 体脂肪率で有意の低値, 除脂肪量で有意に高値を示した。また, 食事分析調査では, エネルギー量と多くの栄養素の摂取状況において, 指導群は対照群に比べ, 有意に高値を示した。さらに, 指導群には, 指導内容を反映した食事パターンの変化が確認された。このことから栄養・食事指導は対象者に理解され, 実行されたことが示唆された。また, 指導群の除脂肪量の増加量と1日の合計エネルギー摂取増加量, 及び, 午前中エネルギー摂取増加量, 穀類摂取増加量の間にはそれぞれ正の相関が認められ, それぞれの食事量を増やした選手に除脂肪量の増加が多いことが確認された。
著者
島村 実花 中尾 芙美子 金子 佳代子
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.75-81, 1995 (Released:2018-03-21)
参考文献数
13

大学運動部員を対象に,運動中及び運動後の水分摂取量の実態を調査し,飲食の記録から食事中水分量も算出した。飲み物の摂取量への噌好の影響を考え,(a)麦茶(糖分,ナトリウムなし) (b)糖分含有電解液1 (c)糖分含有電解液2 (d) 清涼飲料水(糖分) (e) 炭酸飲料水(糖分) (f) コーヒー飲料(糖分) (9)牛乳の運動後1時間の摂取量を,また,食塩5gの普通食と2.5g低塩食を食べた後〜就寝までの水分摂取量を比較した。結果は以下のようである。1) 運動後1時間に自由に水分摂取した後も水負債を解消しきれなかったが,就寝までに Ikg 以上摂取しており,本研究における発汗程度では運動後の飲食によって水負債を解消出来ると考えられた。 2 )被験者は麦茶を好んでいたにも関わらず,スポーツドリンク( b , C )及び清涼飲料( d , e , f ) よりも多くは飲めなかった 03 )食事中塩分が少ないと水分摂取量が少なくなる傾向がみられた