著者
天木 桂子 池田 揚子 中屋 洋子
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践研究指導センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 = The journal of the Center for Educational Research and Practices (ISSN:09172874)
巻号頁・発行日
no.2, pp.139-155, 1992-03

羊を原毛から入手して加工することが一般家庭に広がっている背景から,フリースを洗毛して作成した手紡ぎ毛糸の適切な洗濯方法を検討した。すなわち,手紡ぎ毛糸を編み地に仕上げ,様々な条件下で洗濯の繰り返し実験を行い,収縮率および各種物性値を測定して,市販毛糸編み地との比較を行った。その結果,すべての条件で洗濯回数が増すとともに収縮率も増大することが分かった。また,横方向に比べて縦方向の収緒が大きく面積収締率に反映していた。手紡ぎ毛糸に比べて市販毛糸が,機械洗いに比べて手洗いが,さらに洗濯温度が高いほど収縮しやすく,物性の変化も著しかった。手紡ぎ毛糸編み地は,市販毛糸を利用した場合に比べて,含気率が高く風合の良い製品に仕上がるが,洗濯を繰り返すことにより低下し,市販毛糸編み地に近づいた。また,毛製品もネット利用や弱水流により家庭用電気洗濯機で十分洗濯できることが明らかとなった。