著者
中山 友則 兵藤 宗吉
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.127-127, 2011

本研究では出来事の呈示,事後情報の呈示,記憶テストの3段階から成り立つパラダイムである事後情報効果パラダイムを用いた。本研究の目的は事後情報について思い出すことで,その後のソースモニタリングにどのような影響を及ぼすかを検討することであった。実験では事後情報呈示後に,その事後情報についての詳細な自由再生を求めた。その後,記憶テストとしてソースモニタリングテストを実施した。その結果,事後情報の自由再生を行った条件は自由再生の無かった統制条件と比較して,特に事後情報で与えられた誤情報を事後情報で読んだとするソースモニタリングが困難になった。しかしながら,誤情報を出来事で見たとするエラーについては統制条件と有意な差が見られなかった。これは,誤情報を見ていないとする判断が増加したことを意味する。事後情報についての詳細な再生により,誤情報に対しては検索誘導性忘却を引き起こした可能性が考えられる。