著者
長尾 祐一 佐藤 永洋 中山 善文
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.1942-1946, 2015 (Released:2016-02-29)
参考文献数
14

症例は50歳,男性.約30年前に虫垂切除術を施行された.2012年2月より右下腹部痛を認め,近医受診.精査目的にて,当院消化器内科紹介受診された.CTにて盲腸から上行結腸に壁肥厚ならびに盲腸部に腫瘤を形成しており,内部にアーチファクトを伴う高吸収域を認めた.患者への問診にて2週間前に義歯誤飲しており,排泄を確認していないとのことで,義歯誤飲による腸炎疑いにて当科紹介受診された.下部消化管内視鏡検査では盲腸は著明に壁肥厚を認め,義歯の確認はできなかったが,内部に埋もれている可能性を考え,2012年3月上旬に回盲部切除術を施行した.切除標本では,盲腸の著明な壁肥厚を認めるが,明らかな義歯は認めなかった.病理組織検査では,虫垂の遺残とその周囲に線維化を伴った炎症所見を認め,遺残虫垂炎の診断であった.以前に虫垂切除を受けた既往があれば虫垂炎は除外してしまいがちであるが,遺残虫垂炎の可能性を念頭に置く必要があると考えられた.
著者
中山 善文 門脇 康二 日暮 愛一郎 永田 直幹 伊藤 英明
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.668-672, 2000-05-01
被引用文献数
10

今回, 我々は狭窄によって手術適応になったS状結腸憩室炎に3個の, いわゆるcolonic mucosubmucosal elongated polyp(CMSEP)を合併した症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は74歳の男性.左下腹部腫瘤と同部の鈍痛を主訴に他院受診.大腸内視鏡検査と注腸造影で, S状結腸に狭窄と多発憩室を指摘され, 平成10年2月4日, 当科紹介受診となった.超音波検査とCTで左下腹部に約8cm径の内部不均一な腫瘤を認め, 狭窄をともなうS状結腸憩室炎の術前診断で2月19日, S状結腸切除術を施行した.切除標本で狭窄部口側に2.0×2.0×4.5cmの有茎性ポリープと肛門側に1.0×1.0×2.0cmと1.0×1.0×1.5cmの有茎性ポリープを認めた.これらのポリープは, 病理組織検査の結果CMSEPであった.同一症例に複数個のCMSEPが存在した報告は初めてである.