著者
隠塚 俊満 中山 奈津子 伊藤 克敏 持田 和彦
出版者
国立研究開発法人水産研究・教育機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

作用機序の異なる11種の除草剤の珪藻キートセロスおよび鞭毛藻ヘテロシグマに対する急性毒性を検討した結果、珪藻はブロマシルなど光合成の光化学系Ⅱ阻害剤に対してより高い感受性を示した。また、近年赤潮が頻発している福山港の環境水中除草剤濃度を測定した結果、環境水中濃度は毒性値より50倍以上低い濃度であった。さらに、福山港表層の微細藻類計測値から微細藻類の多様度変化検討し、多様度を説明する環境パラメータを検討した結果、ブロマシル濃度は多様度変化と有意な相関が認められた。そのため、除草剤は実環境中で鞭毛藻赤潮の発生を含む微細藻類の群集構造に影響を及ぼしている可能性が想定された。