著者
中山 敦雄 松木 亨
出版者
愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

人工多能性幹細胞(iPS細胞)作製技術により、脳機能障害での神経細胞解析が可能になった。しかし自閉症は症例ごとに遺伝学的原因と背景が多彩で、コントロールiPS細胞・誘導神経細胞と比較しても神経細胞の表現型の差が原因遺伝子に由来するのか遺伝学的背景の差に由来するかはわからない。我々は標準iPS細胞にゲノム編集で既知の自閉症原因遺伝子変異を導入し、コントロールと遺伝学的背景に差がない自閉症モデル細胞の作製を試みた。 iPS細胞610B1株でNLGN4X遺伝子ノックアウトに成功したが、神経細胞への分化誘導が困難であった。別に2つのiPS細胞株で同様のノックアウトが完了しモデル細胞として解析する。
著者
飯尾 明生 中山 敦雄
出版者
愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究はヒト自閉症高感受性遺伝子ニューロリギン4X(NLGN4X)について、自閉症での遺伝子発現の変化の有無、その発現の増減が自閉症発症の原因なのか結果なのか、その発現の増減を引き起こす非遺伝的背景は何なのか明らかにすることを目的としている。そこでNLGN4Xの発現制御機構について詳細に解析したところ、NLGN4Xの発現がプロモーターのCpGメチル化を介してMeCP2により調節されていること、ストレス依存的なmiR-23aによって翻訳抑制されていること、AS-NLGN4Xによって相補的に発現制御されていることが明らかとなり、エピジェネティックな発現制御を受けていることが示唆された。