著者
小川 佳代 中岡 泰子 富田 喜代子 前田 宏治 加藤 孝士 高橋 順子 石原 留美 尾崎 八代 中澤 京子 三木 章代 吉村 尚美 江口 実希
雑誌
四国大学紀要, A(人文・社会科学編) (ISSN:09191798)
巻号頁・発行日
no.40, pp.13-19, 2013-06

大学の位置する地域における子育て環境を把握し、大学教員としてより具体的な子育て支援のシステムを構築するために、育児ストレスの構造の地域の特性を明らかにした。A県内子育て支援センターに通っている子どもの親及び家族630名を対象とした。育児ストレッサー尺度を用いて、ストレスについて測定した。477名から回答が得られた。対象者の98.1%が女性であった。育児ストレッサー31項目の単純集計の結果、高い値を示したのは「一人になれる時間がない」「自分の時間がない」「子どもを育てるために我慢していることがある」などであった。育児ストレッサーの32項目を変数とした因子分析を行い、6因子を抽出した。第1因子は「子どものしつけや対応への困難」、第2因子は「自分の時間がない」、第3因子は「一人きりの子育て」、第4因子は「子どもの食行動の問題」、第5因子は「夫の無理解・非協力的態度」、第6因子は「子どもにまとわりつかれる」と命名した。
著者
羽賀 敏雄 佐渡 君江 中岡 泰子 有内 則子 知野 光伸
出版者
四国大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

大学教育において,伝統技術と関わった体験的な科学教育を行い,地域リーダーを育成する方途を検討した。その具体的な方法として、北方寒冷地の津軽の伝統技術である「こぎん」と南国阿波の伝統技術である藍染や「しじら織」のそれぞれの物性を対比しながら科学的・基礎的に解明し、その結果を踏まえて教材化して大学教育に実践し、知識・理解、及び問題発見・解決能力を高める学習効果を挙げることができた。実践は「染色化学」をはじめとする4つのアパレルに関する授業を統合的に組織することによって行った。藍草の特徴、徳島県における「すくも」生産の盛衰、藍染に関わる徳島県と他地域との現時点での交流等を概観した。また伝統技術と関わった地域リーダーの一般的資質要件を事例から抽出した。失意からの回帰力、共感力、利他性、先見性、創造性、コミュニケーション力、意思決定力、現状認識の正確さ等である。四国大学生活科学部の学生は、適切性や同調、快適を重視した落ち着いた被服行動をとり、天然藍で藍染することにより、現実の生活に向き合い、かつ活発になる傾向がある。広く伝統的工芸品の近代化とイノベーションの具体例を述べた。伝統技術の後継者育成の現状についても言及した。伝統技術を題材とする科学教育を大学で実践することによって、地域リーダーとしての資質要件の主要部分が育成できることを述べた。