著者
知野 光伸 田中 稔 鈴木 恵
出版者
The Society of Fiber Science and Technology, Japan
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.T502-T508, 1981-12-10 (Released:2008-11-28)
参考文献数
15

The bending angles of warp and weft yarns in the cloth on loom were measured. The results were compared with a theory on shrinkage of cloth. When the weft yarn tension was kept constant, the warp bending angles decreased and the weft bending angles increased with the increase of warp tension on loom. The bending angles depended on the yarn count, the flexural rigidity of yarn, and the configuration of yarn deformed by the lateral load. The theory well explained these results.
著者
羽賀 敏雄 佐渡 君江 中岡 泰子 有内 則子 知野 光伸
出版者
四国大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

大学教育において,伝統技術と関わった体験的な科学教育を行い,地域リーダーを育成する方途を検討した。その具体的な方法として、北方寒冷地の津軽の伝統技術である「こぎん」と南国阿波の伝統技術である藍染や「しじら織」のそれぞれの物性を対比しながら科学的・基礎的に解明し、その結果を踏まえて教材化して大学教育に実践し、知識・理解、及び問題発見・解決能力を高める学習効果を挙げることができた。実践は「染色化学」をはじめとする4つのアパレルに関する授業を統合的に組織することによって行った。藍草の特徴、徳島県における「すくも」生産の盛衰、藍染に関わる徳島県と他地域との現時点での交流等を概観した。また伝統技術と関わった地域リーダーの一般的資質要件を事例から抽出した。失意からの回帰力、共感力、利他性、先見性、創造性、コミュニケーション力、意思決定力、現状認識の正確さ等である。四国大学生活科学部の学生は、適切性や同調、快適を重視した落ち着いた被服行動をとり、天然藍で藍染することにより、現実の生活に向き合い、かつ活発になる傾向がある。広く伝統的工芸品の近代化とイノベーションの具体例を述べた。伝統技術の後継者育成の現状についても言及した。伝統技術を題材とする科学教育を大学で実践することによって、地域リーダーとしての資質要件の主要部分が育成できることを述べた。