著者
富田 康治 黒河 治久 神村 明哉
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

グラフオートマトンは、構造を変化させるルールと、ルールの適用を制約する構造との間の相互作用を記述する数理モデルである。この枠組み上の構造の生成とその解析に関する研究を発展させ、局所的に周期的動作する構造がグラフ上に分散し相互作用する系の自己組織過程の研究を行った。特に、各ノードに位相を導入して振動子として取扱い、各々が蔵本モデルに基づく相互作用を行う場合を扱った。各ノードの振動数がノードのグラフオートマトンの状態によって決定される場合に、状態とグラフ構造の間の自己組織化に加えて、位相と状態の間にも自己組織的関係が導入されることを、シミュレーションを行い確認した。
著者
有本 寛 中嶋 晋作 富田 康治
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.193-206, 2014

本稿は,区画交換による農地の団地化がどの程度可能かを,シミュレーションによって検証する.まず,現在一部の農家で行われている個別・分権的な相対交換では,自発的な交換に必要な「欲求の二重一致」が少なすぎるため,団地化の進展が困難であることを示す.次に,Shapleyらのtop trading cycleアルゴリズムを援用し,複数の農家が区画を一斉交換する集団・集権的な方法を提案する.これは,「欲求の二重一致」の制約を緩和するため,個別・分権的な交換に比べて倍以上の集団化率を実現できた.また,より多くの農家が交換に参加するほど,集団化率も劇的に高まった.多くの農家の参加を募り,集団・集権的な配分を行うことが農地の団地化にあたって有効である.
著者
有本 寛 中嶋 晋作 富田 康治
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.193-206, 2014

本稿は,区画交換による農地の団地化がどの程度可能かを,シミュレーションによって検証する.まず,現在一部の農家で行われている個別・分権的な相対交換では,自発的な交換に必要な「欲求の二重一致」が少なすぎるため,団地化の進展が困難であることを示す.次に,Shapleyらのtop trading cycleアルゴリズムを援用し,複数の農家が区画を一斉交換する集団・集権的な方法を提案する.これは,「欲求の二重一致」の制約を緩和するため,個別・分権的な交換に比べて倍以上の集団化率を実現できた.また,より多くの農家が交換に参加するほど,集団化率も劇的に高まった.多くの農家の参加を募り,集団・集権的な配分を行うことが農地の団地化にあたって有効である.