- 著者
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今村 幹雄
高橋 広喜
國井 康男
山内 英生
中嶋 正彦
- 出版者
- The Japan Society of Coloproctology
- 雑誌
- 日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.6, pp.364-369, 2000 (Released:2009-06-05)
- 参考文献数
- 19
クローン病と精神疾患の合併について欧米では以前から指摘され,機序については,近年,精神神経免疫学的観点からの説明が試みられているが,未だ明らかでない.当科でも精神疾患を合併したクローン病症例3例を経験した.2例は精神疾患先行で,1例はクローン病の経過中に発症した.症例1は38歳,男性,小腸大腸型クローン病.19歳時,幻聴,妄想,てんかん発作などが出現し,脳萎縮を有する器質性精神障害と診断された.21歳時,下痢でクローン病が発症し,3回の手術歴がある.症例2は32歳,男性,直腸肛門クローン病.19歳時,幻聴,妄想が出現し,精神分裂病と診断された.29歳時,発熱,肛門部出血などでクローン病が発症し,肛門周囲膿瘍の切開排膿を数回受ける.症例3は32歳,女性,小腸大腸型クローン病.17歳時,下痢でクローン病が発症し,回腸狭窄と痔瘻に対する手術歴あり.32歳時,精神的ストレス状況下で反応性神経症が発症す.