著者
佐藤 毅 安井 一民 中川 [トシ]夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.1466-1472, 1997-09-25

主メモリの管理機能はシステム全体の効率に大きな影響を与える. 特に, 主メモリ上に複数個のジョブをおき, 同時に処理を行う多重プログラミングでは管理方策が重要である. メモリ利用効率上大きな障害となるのが, メモリ上に多数の細かい小さな空き領域が発生するフラグメンテーション問題であり, この問題の根本的な解決はいまだ提案されておらず, さまざまな解決方策が研究されている. 本論文では, メモリ利用効率の改善方策としてよく知られているコンパクションとスワッピングの二つの機能を組み合わせたメモリ管理モデルを確率モデルとして定式化し, 信頼性理論を応用して, メモリ空間・時間空間などの浪費を最小とする最適方策について議論する.