著者
佐藤 毅 安井 一民 中川 [トシ]夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.1466-1472, 1997-09-25

主メモリの管理機能はシステム全体の効率に大きな影響を与える. 特に, 主メモリ上に複数個のジョブをおき, 同時に処理を行う多重プログラミングでは管理方策が重要である. メモリ利用効率上大きな障害となるのが, メモリ上に多数の細かい小さな空き領域が発生するフラグメンテーション問題であり, この問題の根本的な解決はいまだ提案されておらず, さまざまな解決方策が研究されている. 本論文では, メモリ利用効率の改善方策としてよく知られているコンパクションとスワッピングの二つの機能を組み合わせたメモリ管理モデルを確率モデルとして定式化し, 信頼性理論を応用して, メモリ空間・時間空間などの浪費を最小とする最適方策について議論する.
著者
安井 一民 中川 覃夫 沢 嘉也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.381-386, 1982-07-15
被引用文献数
3

オンライン・システムに代表されるコンピュータ・システムの利用の高度化に伴い システムに対する高信頼化の要求が急速に高まってきている.オンライン・システムにおいて システム障害時に行わなければならない最も大切なことは 早急かつ確実にシステムを復旧させることであり そのために動作可能なシステムを できるだけ早く再構成することである.ここでは マルチ・プロセッサ・システムで構成されている汎用コンピュータ・システムが オンライン・システムの障害時のバック・アップ要求に応じて 二つの独立なパーテイション・システムとしてシステムを再構成する.そのとき 一方をオンライン・システムのバック・アップ用に 他方を汎用処理用に再始動させ オンライン・システムの回復を早期に実現するようなモデルを設定する.また オンライン・システムからの要求を考慮して汎用コンピュータ・システムの故障を定義し マルコフ再生過程の手法を用いて 定常アベイラビリティ 故障までの平均時間 単位時間当りの平均システム故障回数を求める.さらに この結果を利用して オンライン・システムからの要求を満たす確率や拒否する確率 汎用処理業務が正常に行われている確率なども求める.最後に 数値例を示し種々の議論を行う.
著者
安井 一民 中川 覃夫 沢 嘉也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.53-59, 1980-01-15
被引用文献数
2

最近 情報資源における安全性の確保 信頼性の向上 経済性の配慮などの各而から コンピュータ・ネットワークの必要性が強調されている.システムを構成するうえで いかに高信頼度を維持せしめるかは非常に重要な問題であり ここでは 4つの処理システムをもつループ・コンピュータ・ネットワークにおいて (1)単一ループシステム (2)バイパスのある単一ループシステム (3)双方向ループシステム (4)バイパスのある双方向ループシステム の4種類のモデルを考え それぞれのモデルに対して信頼性の考察を行い かつ 比較をするネットワークを構成する処理システムは フニイル・ソフト性を考慮して すべてマルチ・プロセッサ・システムとし ある処理システムが故障した場合 そのシステムを ネットワークに連接する他の処理システムがバック・アップするモデルを設定する.各々のシステムに対して マルコフ再生過程の手法を用いて 定常アベイラビリティ 平均システム故障回数 システム故障までの平均時間(MTTF)を求める.さらに 数値例として バック・アップ可能の確率が処理システムのアベイラビリティに等しいと仮定したとき 逐次近似法によって それぞれの信頼性の諸量を求める.
著者
佐藤 毅 安井 一民 中川 軍夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

多重プログラミングにおける主メモリの管理方式は、大別して実記億方式と仮想記億方式に分けられる。いずれにおいてもシステム動作に伴う主メモリの未使用領域発生がメモリ利用効率を低下させる。そのための改善策として、可変区画割当てにおける外部フラグメテーションの解消にコンパクション(compaction)やシステム資源の利用効率改善のためのスワッピング(swapping)などが適時実行される。ここでは実記憶方式をもつ主メモリ管理システムにおいて、システム資源の効率的利用の視点からコンパクションとスワッピングの2つの機能を組み合わせた新しいメモリ管理モデルを確率モデルとして定式化し、主メモリのコンパクション(ガベジコレクション:以下GC)間隔について議論する。