著者
岩 祐生輝 宮本 俊朗 中川 彰人 安村 良男 玉木 彰
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.15-24, 2022 (Released:2022-02-20)
参考文献数
52

【目的】高齢急性心不全症例への神経筋電気刺激療法(以下,NMES)の安全性,有効性の検証。【方法】75 歳以上の高齢急性心不全入院症例を心臓リハビリテーションのみのcontrol 群とNMES を追加するNMES 群に無作為割り付けし,介入0 日目,2 週目に安全性,骨格筋指標,身体機能指標を評価した。【結果】control群8例(平均83歳)とNMES 群10 例(87 歳)が登録された。介入期間で両群ともに有害事象は認めなかった。また,NMES 群は,control 群に比べて2 週目の大腿四頭筋筋厚(control vs NMES; 9.6 ± 2.7 vs 13.8 ± 2.8 mm, p = 0.012),膝関節伸展筋力(0.2 ± 0.1 vs 0.38 ± 0.1 Kgf/kg, p = 0.016)に高値を認めたが,身体機能指標に有意差はなかった。【結論】高齢心不全患者の急性期において,NMES は骨格筋量および筋力低下を有害事象なく抑制する可能性がある。