著者
岩崎 恵 庄古 知久 安達 朋宏 内山 まり子 加藤 開 谷澤 秀 中本 礼良 吉川 和秀 小島 光暁
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.403-408, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
6

背景:COVID-19蔓延期の災害対応において,病院クラスター発生は病院機能停止を伴う大きなリスクである。感染者が含まれる多数傷病者受入方法を平時から検討しておく必要がある。目的:大規模災害発生時の多数傷病者受入に伴うCOVID-19クラスター発生の防止。 方法:防災訓練ワーキンググループにてCOVID-19蔓延期の災害対応を検討し,大規模災害発生時の多数傷病者受入方法とPCR検査を施行不能な場合に行う入院時のCOVID-19感染リスク分類のためのトリアージ法を策定する。結果:従来の二次トリアージに加えCOVID-19のリスク評価を行い,以下の4段階に分類するCOVIDトリアージを開発した。カテゴリーⅠ(紺)は発災前PCR陽性または抗原陽性,Ⅱ(紫):はCOVID-19の可能性が高い,Ⅲ(ピンク)はCOVID-19の可能性が低い,Ⅳ(白)は発災前PCR陰性とした。結語:災害拠点病院は潜在的なCOVID-19患者を受け入れるために従来のトリアージに加え,感染リスク別の入室カテゴリーを策定し,後日陽性者が判明した場合でも被害を最小限にする対策を準備しておく必要がある。
著者
漆畑 直 村田 希吉 中本 礼良 吉行 綾子 大友 康裕
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.379-383, 2019-09-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
18

【目的】2015年の心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation, CPR)ガイドラインでは,胸骨圧迫の速さが100〜120 /min,深さが5〜6 cmと従来よりも厳格な規定となった。我々は新ガイドラインにおける胸骨圧迫は徒手的よりも機械的の方が遵守されると仮定し,当院におけるimmediate cardiac life support(ICLS)コース受講生を対象に評価した。【方法】ICLSコース受講後に徒手的CPRの採点を行った。またLUCAS®2自動心臓マッサージシステム(以下,LUCAS)を用いて機械的CPRの採点も行った。【結果】受講生(n=18)の徒手的CPRの結果は深さ3.65〜6.13 cm(中央値5.40 cm),速さ98〜128 /min(中央値115 /min)であり,ばらつきを認めた。一方,LUCASは深さが5.13 cm,速さが101 /minという結果であった。【結論】徒手的CPRではガイドラインからの逸脱を認めた。