著者
中村 強士 Tsuyoshi Nakamura
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
no.133, pp.17-27, 2015-09

子ども虐待や貧困問題がクローズアップされていることをふまえて,貧困と育児ストレス,育児ストレスと虐待,そして貧困と虐待との連関については研究が進められてきている.しかし,乳幼児期の貧困とこれらの連関については十分な検討がなされていない.本研究では,乳幼児期の貧困問題の構造を明らかにすることを目的にした名古屋市内の大規模質問紙調査の結果から,保育所保護者における貧困層の養育態度について分析する.その結果,第1に,貧困層は他階層に比べて保育所利用を消極的にとらえていること,第2に,所得が低くなれば「同じことの繰り返し」「解放されたい」「我慢している」という育児ストレスを抱えやすく,そのストレスの発散方法として「ついついあたった」「ついつい叩いた」「厳しく叱った」という養育態度になること,第3に,200名を超える保育所利用者が「世話に関心ない」と答えていることの諸点を確認できた.
著者
中村 強士 Tsuyoshi Nakamura
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
no.133, pp.17-27, 2015-09

子ども虐待や貧困問題がクローズアップされていることをふまえて,貧困と育児ストレス,育児ストレスと虐待,そして貧困と虐待との連関については研究が進められてきている.しかし,乳幼児期の貧困とこれらの連関については十分な検討がなされていない.本研究では,乳幼児期の貧困問題の構造を明らかにすることを目的にした名古屋市内の大規模質問紙調査の結果から,保育所保護者における貧困層の養育態度について分析する.その結果,第1に,貧困層は他階層に比べて保育所利用を消極的にとらえていること,第2に,所得が低くなれば「同じことの繰り返し」「解放されたい」「我慢している」という育児ストレスを抱えやすく,そのストレスの発散方法として「ついついあたった」「ついつい叩いた」「厳しく叱った」という養育態度になること,第3に,200名を超える保育所利用者が「世話に関心ない」と答えていることの諸点を確認できた.