著者
東 尚弘 岩本 桃子 中村 文明
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.672-675, 2015 (Released:2015-10-25)
参考文献数
2

がん医療の均てん化はがん対策の大きな課題である. そのためには医療の質の測定・把握が必要であるが, データ源として最も信頼の置ける診療録からの採録は作業負担への懸念から, 限界は許容しつつ院内がん登録とDPC (diagnosis-procedure combination) データをリンクしたデータによる指標の測定が始まった. 両データをリンクするためには病院内で共通の匿名番号をつける必要があるが, データの標準化も十分ではなく, さまざまな困難があった. 専用のソフトで作業を自動化し, ソフトも各種課題に対処して改良を重ねることで, 2012年症例では232施設からデータの収集が可能であった. 今後は, 参加病院のがん診療の質の向上と, がん対策の効果的推進の両方にこのデータを活用していく体制構築を行っていく.
著者
中村 文明 中島 義仁 竹内 豊生 冨田 崇仁 成瀬 賢伸 大野 修 岡村 正造 前多 松喜
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.6, pp.1112-1114, 2006-06-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

症例は46歳男性. 10年前から再燃緩解型潰瘍性大腸炎で治療中であった. 胸部絞扼感にて近医を受診し, 心エコーにて左室壁の浮腫と壁運動の低下を認めた. 心筋炎の診断で, ステロイドパルス療法施行されたが, 心室頻拍となり当院へと紹介された. 経皮的心肺補助法 (PCPS), 大動脈内バルーンパンピング (IABP) 施行時の心筋生検にて, 巨細胞性心筋炎と診断された. シクロスポリンの投与を試みたが, 心筋の収縮力は改善せず死亡された.