著者
吉澤 一家 中村 文雄
出版者
日本珪藻学会
雑誌
Diatom (ISSN:09119310)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.9-15, 1995-12-31 (Released:2012-12-11)
参考文献数
25

The growth characteristics and extracellular organic matter of Synedra acus Kützing, which often causes problems to the public water supply, were investigated by using an artificial culture medium. Synedra acus was removed from the water of a reservoir; the cultivations were carried out between 10-25°C with continuous light illumination, under cool-white fluorescent lamps at 4,500 lx and 2,000 lx.Under these conditions, the higher the temperature and the brighter the light became, the more rapidly the diatoms grew. With the growth of the diatoms, extracellular organic matter, which included saccharides, increased at a 40% ratio. Following the Logarithmic phase, extracellular saccharides were yielded at a ratio of 11-12% to the dry algae.The composition of these saccharides was recorded as follows: Rib + Ara: Fuc: Xyl: Man: Gal: Glu = 4.3: 1.8: 7.1: 8.6: 9.4: 68. As a result, saccharides produced by Synedra acus were characterized by a high concentration of Glu and the absence of Rha.
著者
三宅 定明 茂木 美砂子 大沢 尚 中澤 清明 出雲 義朗 中村 文雄
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.419-426, 1997-07-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
19
被引用文献数
2 1

既報, 137Csをとりこませたメダカ, Oryzias latipes, の肉と混入した肉 (対照) の, 各放射性餌料投与によるキンギョ, Carassius auratus auratus, の137Cs濃縮機構を解明するため, メダカにとりこまれた137Csの生化学的存在形態について調べた。メダカにとりこまれた137Csは, 事実上非蛋白態窒素化合物 (NPNC) 区に存在し (92%以上) , 対照である無機の137Csを混入したメダカの肉との違いはほとんどみられなかった。また, NPNC区にっきゲルろ過分離を行ったところ, 137Csをとりこんだメダカの肉では, 対照および137CsCl水溶液と同様一つの放射能ピークのみが検出され, しかも各ピークの位置はそれぞれ一致した。一方, 蛋白質の各ピークの位置は, 放射能ピークの位置と異なり, とりこまれた137Csの大部分は, 蛋白質と結合していないことがわかった。さらに, シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィや, 陽イオン交換樹脂による分離, リンモリブデン酸アンモニウムとの反応においても, 137Csをとりこんだメダカの肉は, 対照である無機の137Csを混入したメダカの肉と違いはほとんどみられなかった。
著者
花岡 利幸 楊 進春 趙 文謙 西井 和夫 北村 眞一 ZHAO Wen-qian YANG Jin-chun 中村 文雄 今岡 正美 竹内 邦良 荻原 能男 張 道成
出版者
山梨大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

1、自然災害への対策:甲府盆地及び四川盆地を流れる河川は氾濫河川であり、両地域とも治水技術に長い歴史と特徴を持っている。2、市街地拡大・人口集中への対策:甲府盆地では城下町、周辺の農村集落の成立を通じて緩やかな発展(時速4km/hrの世界)を遂げてきたが、1965年以降の自動車化(時速40km/hr)によって市街地の拡大が始まった。自動車保有の増大に合わせる需要追随型道路計画が進められてきた。1980年代の高速交通時代(時速120km/hr)の始まりは、計画先行型計画を取り込む気運を育み、新環状道路建設計画(1994)に繋がった。成都市は約40年間に人口の都市集中が起こり、人口960.4万人、市区人口304.5万人の中国内陸部の大都市に成長した。その結果、中心部の収容力に対し人口負荷が上回り、交通渋滞、エネルギー資源不足、通学難などの問題が顕著になった。自転車中心から自動車時代を目前に控え、交通問題は深刻さを増している。対策として環状道路建設、地下鉄建設、衛星都市・中小都市の育成による大都市への人口集中の抑制が急務となっている。3、都市中心部の総合整備事業:成都市では中心部外縁を全長29kmの府河南河が流下し、「二江抱城」の独特な景観を呈している。歴代の府南河は水が清く深く、潅漑、供水、運航、洪水防御などの機能を持ち、主要交通路でもあった。しかし、工業の発展、人口の増加に伴い、府南河はスラム地と化し、昔の栄光を失いつつある。府南河整備事業は、生態的都市の建設を目指し、持続的経済成長および社会的進歩を推進する目的の総合整備事業である。その内容は(1)洪水防御、(2)環境保全、(3)緑地整備、(4)道路とライフラインの整備、(5)住宅建設などである。沿河住民10万人移住を伴うこの事業は1985年から計画検討の後、1992年に正式に着工し、5年の歳月を経て1997年に概成した。その社会経済的および環境の効果が顕著に現れている。