著者
三宅 定明 日笠 司 浦辺 研一 原口 雅人 大村 外志隆
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.753-757, 2008 (Released:2008-12-29)
参考文献数
28
被引用文献数
1 3

埼玉県内で生産されたキノコの放射能調査を実施した。137Csは全ての試料から検出され,子実体は0.012~2.1Bq/kg生,培地(菌床)は0.080~1.8Bq/kg乾であった。子実体の137Cs濃度はキノコの種類によって異なり,ヒラタケ及びエノキタケが低く,シイタケ及びマイタケが高い傾向がみられ,種類別の平均値でみると30倍以上異なった。また,137Csの濃度比(子実体/培地)は0.11~0.53であり,他の野菜等の移行係数に比べ高い傾向を示した
著者
三宅 定明 吉田 栄充 野本 かほる 浦辺 研一 柴田 穣 髙野 真理子 杉山 英男
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.563-569, 2015-09-15 (Released:2015-09-29)
参考文献数
15

埼玉県住民の食品からの放射性物質の摂取量及び内部被ばく線量を推定するため,日常食(陰膳食)の放射能調査を実施した。134Cs及び137Csの平均値は,2011年度は0.43及び0.48Bq/人・日,2012年度は0.065及び0.15Bq/人・日であった。成人の預託実効線量は,2011年度は5.5μSv,2012年度は1.1μSvであった。2011年度の値は,福島第一原子力発電所事故以前の値と比べると,約80倍高い値であったが,一般公衆の線量限度1mSv/年の1%以下であった。
著者
三宅 定明 茂木 美砂子 大沢 尚 中澤 清明 出雲 義朗 中村 文雄
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.419-426, 1997-07-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
19
被引用文献数
2 1

既報, 137Csをとりこませたメダカ, Oryzias latipes, の肉と混入した肉 (対照) の, 各放射性餌料投与によるキンギョ, Carassius auratus auratus, の137Cs濃縮機構を解明するため, メダカにとりこまれた137Csの生化学的存在形態について調べた。メダカにとりこまれた137Csは, 事実上非蛋白態窒素化合物 (NPNC) 区に存在し (92%以上) , 対照である無機の137Csを混入したメダカの肉との違いはほとんどみられなかった。また, NPNC区にっきゲルろ過分離を行ったところ, 137Csをとりこんだメダカの肉では, 対照および137CsCl水溶液と同様一つの放射能ピークのみが検出され, しかも各ピークの位置はそれぞれ一致した。一方, 蛋白質の各ピークの位置は, 放射能ピークの位置と異なり, とりこまれた137Csの大部分は, 蛋白質と結合していないことがわかった。さらに, シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィや, 陽イオン交換樹脂による分離, リンモリブデン酸アンモニウムとの反応においても, 137Csをとりこんだメダカの肉は, 対照である無機の137Csを混入したメダカの肉と違いはほとんどみられなかった。
著者
吉田 栄充 三宅 定明 浦辺 研一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
Radioisotopes (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.831-836, 2009-12-15
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

γ線スペクトロメトリーを用いて,埼玉県内に流通しているハーブティーの放射能調査(<SUP>134</SUP>Cs,<SUP>137</SUP>Cs及び<SUP>40</SUP>K)を行った。<SUP>134</SUP>Csは49検体全て不検出であったが,<SUP>137</SUP>Csは10検体から検出され(2.1~240Bq/kg乾),それらは全てヨーロッパ産であった。また,<SUP>40</SUP>Kは全検体から99.9~1400Bq/kg乾検出された。<BR><SUP>137</SUP>Csについては,アイブライトでポーランド産とブルガリア産で大きく濃度が異なり,明らかな地域差が見られた。また今回の調査により,成人が1年間ハーブティーを1日1杯ずつ飲み続けたときの<SUP>137</SUP>Csの預託実効線量を求めると約1.0×10<SUP>-3</SUP>mSvとなり,通常のハーブティーの摂取においては,<SUP>137</SUP>Csの被ばく線量の寄与は非常に少ないものと考えられた。
著者
高瀬 冴子 坂田 脩 長島 典夫 吉田 栄充 三宅 定明 石井 里枝
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.301-306, 2017-08-15 (Released:2017-08-15)
参考文献数
15

福島第一原発事故以降,食品の放射能汚染が懸念されていることから,γ線スペクトロメトリーを用いて,日本に流通する梅加工食品100検体(2015年から2016年に購入)の放射能調査(134Cs及び137Cs)を実施した。134Csは6検体から検出され(0.82~12 Bq/kg),137Csは40検体から検出された(0.65~69 Bq/kg)。最も放射能濃度が高かった検体は梅エキスであり,134Csと137Csの和は81 Bq/kgであった。この濃度は一般食品の規格基準値の5分の4程度であった。放射性セシウムが検出された梅加工食品を1年間摂取した場合の成人の預託実効線量は最大で約1.7 μSvであった。
著者
三宅 定明 吉田 栄充 高橋 邦彦 飯島 正雄 浦辺 研一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.471-475, 2010 (Released:2010-08-27)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

γ線スペクトロメトリを用いて,日本に流通している健康食品(サプリメント)73検体の放射能調査(134Cs,137Cs及び40K)を実施した。134Csは全て不検出であった。137Csは9検体から検出され(2.3~190Bq/kg),キノコやブルーベリーなど137Cs濃度が高いと考えられる原材料を使用したサプリメントは,137Cs濃度が高い傾向があることがわかった。また40Kは56検体から検出された(17.6~11600Bq/kg)。137Csが検出されたサプリメントを1年間摂取した時の成人における137Csの預託実効線量は約2.9μSvであった。